短 編
□■無口な君を愛してる
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放課後、一人で帰っていると後ろに誰かの気配を感じた。
少し首を振り返ると生徒会長の姿が目に映った。
それから歩いても歩いてもついてくる。
佑真は人気のないところで立ち止まった。
「あの−、生徒会長って俺の家と同じ方向でしたっけ?」
生徒会長は無表情で言う。
「いや、お前の家とは逆方向だ」
「はい?
じゃ、なんであんたはこっちに来てるんですか」
「…お前に用があるんだ…//」
そう頬を赤く染めながら言った。
そして今の状況にあたる。
「は?」
「お前、聞いてなかったのか!?」
「いや、聞いてましたけど…」
「‥なぜ、敬語だ。
同じ学年で同じクラスだろう」
同じクラスっていってもロクに喋ったことねぇし。
「冗談はやめてくださいよ。俺ら男同士でしょ」
「それがなんだ?」
最初は本当に冗談かと思った。
でも相手は冗談なんて言わないクールで優秀な生徒会長の神堂秋幸。
近寄りがたいが男女ともから一目置かれてる存在。
そんな凄い奴がなんで俺なんか?
「とにかく考えてみてくれ。
返事はいつでもいい」
「あ、ちょっと!」
神堂はスタスタと帰って行ってしまった。
(神堂は恋愛なんかに興味ないと思ってたのになぁ。
つか、マジでなんで俺なのよ!?)