短 編

□■無口な君を愛してる
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翌日の昼休み、佑真は神堂を探していた。
(ったく、どこ行ったんだよ!?
さっきまで教室いたのにさっさと出て行きやがって)

とりあえずクラスメートに聞いてみた。
「神堂?屋上じゃねぇの?」
「屋上?」
「いっつもいるじゃん」

そうなのか‥。
そういえば俺、アイツと二年間同じクラスだったけどアイツのこと何も知らねぇな…。


佑真は屋上に向かった。
(屋上って一般生徒は立ち入り禁止だろ?
鍵かかってて入れねぇんじゃ…)
屋上の扉を恐る恐る開けると扉は開いた。
そこには夏の風に吹かれながら読書をしている神堂がいた。
神堂は佑真の存在に気付いた瞬間、呼んでいた本を落とした。
「な、何しにきたんだ?」
神堂は慌てて本を拾いながら尋ねた。
「なんでお前、屋上の鍵持ってるんだ?
一般生徒は立ち入り禁止だろ?」
「…生徒会長の特権ってやつだ」

あぁ、そうですか…。


佑真は神堂の隣に座った。
「あのさ…昨日の返事なんだけど…」
その瞬間、神堂はドキッとした。
「…あ、ああ…」
「その…付き合ってもいいぜ//」
「え?」
神堂は目を見開いてこっちを見ていた。
「何、そんなに驚いてるんだよ/」
「いや…まさか…そんな答えが返ってくるとは思ってなかったから…」
「はぁ?」
「俺はてっきり駄目かと…………。
本当にちゃんと考えたのか?」
「なっ…。考えたよ!
深夜までかかったんだからなっ/」
「…そうか。なら、いい。
その……これからよろしく…//」
真っ赤になりながらそう言うもんだからこっちまで照れる。
「お、おぅ…/」
こうして俺達は恋人同士になった。
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