短 編

□■無口な君を愛してる
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その次の日の朝、下駄箱で佑真は神堂と会った。
「おはよ」
佑真がニコッと笑うと神堂もぶっきらぼうに挨拶した。
「…おはよう」
佑真はそのまま行ってしまおうとする神堂を呼び止めた。
「待てよ、神堂。教室まで一緒に行こうぜ」
「あぁ。別にいいけど/」

教室に行くとクラスメートが話しかけてきた。
「うぃ−っす!藤咲」
クラスメートはさっさと席に着いた神堂を見ながら佑真に話し掛ける。
「なになに?なんで神堂と一緒に来てんだよ」
「まぁ、ちょっとな…」
「なんだよぉ−!教えろ、藤咲ぃ」
佑真に抱きつくクラスメートを神堂は睨んでいた。
その視線に気付いた佑真は恐怖を抱いた。
(…怖っ。
なんでそんな不機嫌なんだよ)
昼休み、授業が終わると佑真は真っ先に神堂の方へ飛んでいった。
「神堂−!一緒に昼飯食おうぜっ」
「…あぁ」


今日は中庭に行った。
「…今日は仲間と食べなくていいのか?」
佑真はパンの袋を開けながら言う。
「何言ってんだよ。
神堂と食べる方が美味しく食べれるじゃん」
「…そうか」
神堂は頬を赤く染めながらパンを口に含んだ。
(うわあ…。真っ赤になっちゃって…可愛いな//)
佑真が神堂の顔を見つめていると神堂の携帯が鳴った。
神堂は無表情のまま携帯を取り出した。
「…はい。
‥わかった、今から行く」
携帯を閉じると神堂は立ち上がった。
「何?どうかした?」
「副会長に呼ばれたから今から生徒会室に行く」
「今から?えぇ、マジ?もうちょっとしたら授業始まんじゃん」
「あぁ。だから少し授業には遅れる」
「そっか。
…それ、俺もついて行っちゃ駄目?」
「駄目だ。お前は授業に出ろ」
神堂の鋭い目つきに息を呑んだ。
「…で、ですよね−」
教室に帰った佑真は机に顔を伏せた。

はぁ…。神堂ってよくわかんねぇなぁ。
理由も聞かないまま付き合っちゃったけど神堂は一体、どういうつもりで俺と付き合っているんだろう?
俺のこと本当に好きなのかな…?
何というか壁を感じるんだよなあ。

















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