短 編

□■I love forever...
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(もう底辺人生確定…)
そう泣きながらペン回しをしていると隣から話しかけられた。

「なぁ、桐咲」
話しかけてきた男の名前は間宮虎太郎。
地元では有名なヤンキ−だ。
そしてこのアホ校で留年しそうになったかなりのアホでもある。
「は…はい、なんでしょう?」
小心者の俺、桐咲大輝は初めて話しかけられた間宮にビビりまくりだった。
「お前、成績、学年トップってホンマなんか?」
真剣な顔で聞いてくる間宮に対して大輝は目が点になった。
「へ!?
そ、そんな大したもんじゃないッスよ!」
確かに大輝は学年トップだ。
(それはお前らがアホすぎやからやろ…!)
平均三十点で自動的に学年トップになったのだ。
「学年トップやったら俺に勉強教えてくれへん?」
「せやから、俺そんな頭良くないんスって」
いくら否定しても間宮は勝手に話を進めていく。
「何言うてんねん。
まずは数学最初から教えてくれ」
「あ−、はいはい。最初からね‥って、なんでやねん!!」
気付けばツッコミと一緒に間宮の頭を叩いていた。
大輝は血の気が引いていくのを感じた。
(何してんねん、俺〜〜〜!!
ヤンキ−にノリツッコミの上に頭叩いてもうたっ…!!
殺される…っ!
底辺人生が何とか言ってる場合ちゃうっ…!
確実に殺されるっ!!)
恐怖を抱きながら大輝は間宮の方を見ると、間宮は眉一つ動かさずこっちを睨んでいた。
「…お前…」
(ギャ−−!!)
「すんませ…っ」
咄嗟に謝ろうとすると言葉を遮られた。
「お前、なかなかええツッコミすんのな」
間宮はそう言いながら目を輝かせてこっちを見ていた。
「へ?
…あ、ありがとう…」
「お笑い好きなんか?」
「え、う、うん…」
「俺もや」
(ヤンキ−がお笑い好き…)
似合わないが間宮の目はキラキラしていた。
「誰が好き?」
「ヘブンとか……」
すると間宮は食いついてきた。
「俺もやっ!!
ヘブンは神や!!」
「マジで!?」
「今度、一緒にヘブンのDVD見る!?」
「見る、見る−っ!」




そんな事で俺と間宮はよくツルむようになった。
気付けば、親友と呼べる立ち位置まで来ていた。

間宮はアホで目つき悪いけど話すとめっちゃええ奴やということがわかった。



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