□初恋
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「キャプテン!女の子が!!」
クルーの叫び声にローは、眉間にシワを寄せて甲板に出た。
群がっているクルーを視線だけでどかし、サークルの中まで近寄れば確かにいた。
少女が。
「捨てろ」
少女を見下ろして、ただ一言言い捨てて背中を向けたローにベポが、声をあげた。
「そんなっ!?
キャプテン酷いよ!」
「そ、そうッスよ!
さすがにそれは…」
「こんなガキ乗せて、邪魔なだけだ」
ベポが抱える少女を睨んで、それからシャチを睨む。
怯むが、納得できないのかローから目を逸らさない。
「キャプテン…、おれ、面倒みるから
せめて、次の島まで乗せてあげて?」
「…………
チッ、好きにしろ」
結局、ベポには弱いローだった。
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