デュラララ!!
□撲滅ふぁいたー 臨帝
1ページ/1ページ
カタカタカタカタカタ――――
暗い部屋の中、明かりはパソコンの画面の光だけ。
少年はキーボードに指を滑らせる。
-----セットンさんが入室しました----
[ばんわ―]
【あ、こんばんわ―。セットンさん。】
[あれ?田中太郎さんだけですか?甘楽さんは?]
【さあ。寝てるんじゃないでしょうか?】
「あらやだ、私ならここよ!!!!太郎さん!!」
「ひゃっ!!! い、臨也さん!!どうしてここに!!!」
鍵は閉めたはずなのに………!!!!
後ろからいつの間にかいた臨也さんに抱き締められる。
[太郎さん?どうかしました?]
止まった書き込みに心配してくれたセットンさん。
【あ、いえ、何でも無いです。】
「ちょっ、臨也さん、離れて下さいよ……!」
「え―、そんなことゆわないで下さいよ―!!!甘楽悲しい!!」
知らないですよ!!
それにさっきから臨也さんが、吐く息が首筋にかかり、顔が熱くなる。
【あ、あのセットンさん、僕、用事を思い出したんで今日はこれで!!!】
[は、はぁ……、]
------田中太郎さんが退室しました-------
「いざやさん!!!!」
両手で臨也さんを押し返し部屋の電気をつける。
「アハハハハ、でもほんとはもっとしてほしかったんでしょ?」
「ッ!!!!!」
顔を近付けられる。
「ねえ………言って?」
「い、いや、です……」
頬を触られただけで体がビクッと反応する。
「強情張りだなぁ、ほんと………じゃあもう一生触らないよ?」
「………ず、ずるい」
僕をあなた無しじゃ生きられない体にしたくせに………。
「ねえ、俺も帝人君を愛してるから……ね?言って?」
「………僕、だけを、ですか?」
「うん、そうだよ」
ああ………、
聞いて損をした。
聞かなくても
これは
嘘だ。
「――――!!!」
「もう……………無理です………!!!!」
溢れ出す雫は止まらない。
臨也さんから目を反らして扉に向かって走った。
はずだった。
「!!!! 離して………下さい!!!」
惨めだ、自分だけが彼を好きなんて………!!!
それなのに彼は僕を抱きしめる。
「――――ッ!!! これ以上期待させな「冗談だと思ってた………」
「!!!!」
後ろから聞こえた彼の声色に驚く。
「…………何だ………俺達同じ気持ちだったんだね」
彼が笑った。
「―――ッ!!!! いざや、さ、!!!」
唇にキスをされた。
ボロボロと零れた涙を彼は優しく拭き取る。
「ほら、泣きやんで。ちゃんと俺の顔見て」
こうゆう所が大人だな―って思う。
見上げた彼の顔は少し照れ臭そうな顔をしていた。
撲滅ファイターは一人の人間を撲滅した。
そしてその撲滅ファイターも撲滅された。
end
自分の中で臨也は男前
(であってほしいという願望)