デュラララ!!

背中 静帝
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「(背中………広いな……。」

後ろから静雄さんの背を見ていた。

元々自分は体格がいい方ではないので静雄と比べるとかなりの差がある。

「竜ヶ峰?」

「え、あ、はい?」

「いや、何ぼ―っとしてんだ?」

「あ、いえ、何でもないです。」

笑顔を向ける。

「そうか……、」

そう言ってまた僕に背を向けた。







小さい、

「………、(小さいよな……。」

とりあえず、近くにあった公園で話して、何か飲み物を買ってくると言った竜ヶ峰の背を見て思った。

「………、(俺もあんな小さかったか……?」

高校はあまりいい思い出が無いので思い出せない。

「静雄さん、」

はい、と渡されたコップを持つ手が予想を上回る小ささだった。

「……手、」

「? 手? ッ!!!」

手を触るとビクッと震えた竜ヶ峰に手を離した。

やばい………。

俺の事を怖がっているって分かってるのに………触りたい。




「………。」

「………。」

……だめだ……。

さっき静雄さんに触られた時、離れて行く手にもっと触ってほしいと思った。

なのに、静雄さんは、それから一回も触ってこようとしない。

「………あ、あの……、」

「?」

「えっと……その……、」

黒いサングラスを取った瞳は僕を真っすぐ見据えて揺るがない。

「なんだ……?」

少し眉間に皺を寄せた静雄さんに覚悟を決めて、

「手………、繋いでも、いいですか!?」

あまりにも力み過ぎて声が裏返り、自分でもおかしいななんて思った。

案の定、静雄さんも持っていたタバコを落とす。

嫌、われた……?

「…………あ、」

「………ッ、」

ポタポタと頬を零れ落ちていく涙を見て静雄さんが拳を握った。

「………ごめ、なさ、今、泣き、止みま―――――

ヒュッ、と、息のつまる声が出た。






…………何してんだ………俺。

「し、しずお、さ……?」

「…………。」

泣き顔見た瞬間抑え切れなくて抱きしめた。

やっぱり小さいな、なんて思いながら、自分が結構強く抱きしめていた事に気づき、少しだけ抱きしめる強さを弱くする。

「ど、して「いや、その………俺を嫌いじゃないのか?」

「な!! 嫌いなわけないじゃないですか!!!!」

とゆうか、どう解釈したら嫌いになるんですか……、と言いながら横に向いてしまった。

俺はその言葉に少し笑って、もう一度強く抱きしめた。




(は、恥ずかしいです………。)

(我慢しろ……。)



ああ……、調子が狂う。

自分でも顔が熱いのが分かった。




小さな背中、大きな背中。

二つはちょうどいい。


end



帝人君が泣いてばっか……。

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