デュラララ!!

受話器の裏側 静帝
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『この電話番号は電波の届かない所にいるか電源が入っていないため届きません――――』

受話器越しに聞こえたアナウンスに、苛立ちが芽生えた。

「………ックソ!!!」

携帯を二つに割る。





事の発端は、一つの不在着信。

「………?」

画面上には、『竜ヶ峰帝人』という文字が浮かび上がっていた。

時間を見ると10分前ほどにかかってきていたらしく、すぐに折り返しの電話をかけたが………今の状況、というわけだ。

「ックソ!!!!」

苛立ちで震える手でライターを口元に運んだ煙草に近づける。

「(どうする?殺すか?いや落ち着け……!!」

もし竜ヶ峰が絡まれていたらそいつらを片っ端から殺してやろうと思ったが、それをすると竜ヶ峰は怒る。

「―――――ックソ………。」

割れた携帯を、見つめた。





同時刻――――

「どうしよう………。」

さっきから何度静雄さんの携帯に電話をかけてみても、一向に繋がる気配がない。

「…………。(もしかしたら、何か事故にあったとか……。」

あの人は確かに丈夫ではあるが、やっぱり心配だ。

不安ばかりが募り泣きそうになる。

「………泣いてちゃだめだ、」

両目を擦り涙をふう。

池袋のどこかにいるはず………。

歩きだした。





「(どこだ!?」

彼が通った後は色々な残骸。

池袋中を探した気がするが一向に見つかる気配が無い。

「………帝人、」

久しぶりに名前で呼んだ気がする。







「はぁ…………。」

見つからなかった………。

噴水の前で一人水面で跳ねる水を見た。

日が暮れかかり赤い色が町を染める。

「…………静雄さん」



「なんだ………、」

竜ヶ峰が見つからない。

しかも今誰かに名前を呼ばれて答えた気が……………



は?

「「ッ!!!!!」」

声が出なかった。

気づいたら抱きしめていた。

「………あ、あの、し、しずお、さ、ふぇ……、」

「なんだ………?」

「し、ん、ぱい、して……ほんと、よか、た」

「ッ!!!」

馬鹿かお前!!俺がどれだけ心配したと思ってるんだ……!!

震える体を強く抱きしめる。

「………馬鹿だな………お前、」

「え?」

「俺なんかの事より、自分を心配しろ………。」

こんな奴なんかの事より……。

そう言うと。



パシッ!!

一瞬呆気にとられた。

「……そんなの……間違ってます。」

「……。」

右頬がジンジンと痛む。

「僕は、あなたが大切で………大好きなんです!!」

「…………、」

「!!!」

もう一度強く抱きしめた。

「悪かった………」

救われた気がした。

「俺も……心配した。」

そうゆうと、少年は微笑んだ。


受話器越しじゃあわからないことがたくさんある。

やっぱり、ずっと一緒にいるべきだ。




end

う―ん………。

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