笛!

□太陽
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でんでらりゅうば
でてくるばってん

でんでられんけん
でてこんけん

こんけられんけん
こられられんけん
こんこん













それはいつか聞いた言葉遊び。
私はそれをよく口ずさむようになった。






出てこい、出てこい龍よ。

出られるものなら
とっくに出ている。

そうか出て来ないのは
出て来られないからか

龍は来ない
龍は来られない。








そうね、まるで外から鍵をかけられた鳥籠に入れられた小鳥みたい。

飼い主から名前を呼ばれても、
そこから広い空に飛び立つことは出来ないって知っている小鳥みたいに。





家を出た。
見上げた空は雲一つなくて。
真っ青なそこにはキラキラと輝いた太陽が存在を示していた。




────眩しい。


目を細め、見上げた視線を前に戻した。そして私は歩きだす。

























00 プロローグ END

120318 真宮 瑠榎
 

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