青エク夢
□恋のいろは
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今日は仕事も終わり、買い物を済ませた。ルンルンと夕日の温かさを背中に感じながら自分の影を追いかけ帰路につく。あまりの気分のよさに軽くスキップを調子にのって踏み出した。
ドテッ
…案の定というか、コケました。
『う゛ぅ…』
打ち付けた膝と顔面に走るあまりの痛みになかなか立ち上がることができない。しかしいつまでも地面とイチャイチャらぶらぶランデブーしているのは周りからの冷たい視線は辛くてのそり、と体を起こすと、私の視界に飛び込んで来たのは愛しの愛しの卵ちゃんの無惨な姿。
『う、打ち付けたのは私の顔と膝だけにおさまらず、卵ちゃんまで犠牲にぃぃぃ……!』
ううう……タイムセールをわざわざ見計らって2パックしっかり手に入れたのに、こういうときに限ってこんなハプニングに見舞われるとは。だいたい、小石すらないこの平らな道で何故コケたんだ、私。調子のってスキップするから悪いんだ。自分が悪いんだ。うああああ八つ当たりできないじゃありませんか!!
とりあえず、数分前の私、今の私に謝れ。土下座して謝れぇぇぇぇ!!!!!』
…あれ、私いつから声にだしてたの?え、え、だれにもきかれてないよね?
「ぷっ」
『!?!?』
サァアアと血の気が引いて顔色が悪くなるのを自分でも感じた。ああああ聞かれてたよまじで神様今日私に対してちょっと鬼畜過ぎるんじゃないですか、どうなんですか。
「大丈夫か、嬢ちゃん?」
クツクツと喉の奥で笑いながら手を差し延べてきたのは、黒い服を身に纏ったダンディーなイケメンおじ様でした。服装、装飾品のロザリオを見るかぎり、神父様なのだろうかと推測をたてる。