創作
□GLOW-1章 人生いろいろ
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「到着〜」
「5時間もかかったけどね」
そんな母と妹に石橋一樹(イシバシ イツキ)は満面の笑みで食べよと言って弁当を持ち上げてみせた
パパの所でねと母がいうと
妹は笑顔で頷いた
「食べる前にちゃんとご挨拶なさい」
「はぁーぃ」
「もう10年なんだね」
「ええ…」
これはドラマでも何でもなくて
普通の女子高生の普通の物語
遡(さかのぼ)ること10年前
プルルルー
「はい。石橋でございま……はい…え……はい……」
カチャ
良い電話でないことだけは6歳の一樹にも理解できた
「い…つき……あ…きら…」
「どうしたの?ママ」
「パパ…が死んじゃ…た…て電話…」
その後、母、みどりは泣き崩れて何も言えなかった。
電話の主は姑、一樹と陽の祖母だった
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