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□Kiss my lips
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 それでも僕の望みも、願いもみんな叶えて、呼び寄せてくれたんだ。
 そこまでして呼び出してもらえる価値があるのかなんて、僕にはないのかもしれないけれど、でもこうやって今も僕を大事に想ってくれる人を僕も大切にしたいって思う。
 何の掛け値なしに想ってくれる愛しいこの人が、僕も大好きって思えるんだ。
 僕の体も心もまだ子供だけど、誰かを好きになって誰かを一生大事に思える心は大人も子供関係ないと思うんだ。
 「スザク様、僕はスザク様の傍にいます」
 今にも泣いてしまいそうなスザク様の頬に口付けて、僕はここにいますって伝えて。
 唇に口付けて、僕の心にある大好きって気持ちを伝える。
 僕は、スザク様の傍にいて、スザク様が大好きです。
 「僕に、スザク様にこんな風に思ってもらえる価値があるなんてわからないけど…それでも僕は…スザク様の傍にいたいです」
 「価値があるとかないとか、そんな言い方はしないでほしいんだ。僕にとっては小さなあの頃から、ずっと君だけが、君が僕の中でたった一人の人だったんだから…。僕は君が好きだよ、ルル。僕には君だけなんだ」
 スザク様から唇が寄せられて、僕たちはまたそれが触れ合って。
 でも、お互いにお互いを感じるためのキスは、今度は触れるだけのキスじゃなくて、深くて痛くて、胸が苦しくなるキスだった。
 
 
 
 「ん…」
 唇が強く押し当てられて、その後に段々と深くなる口付けに舌が絡められるのはもうわかっているから、うっすらと唇を開ける。
 そうすると、唇の隙間からスザク様の舌が潜り込んできて、僕の舌は優しく絡め取られた。
 舌が絡まるたびに、チュク、チュクって水音が耳に響いて、その音に胸も反応するみたいにドキドキが大きくなる。
 少しだけ唇が離されたと思うと、スザク様が僕の様子を伺うみたいに、顔を覗きこんでくる。
 「外だけど…もっと…触れていい…?ルルに触れてると…君がここにいるって実感出来るから…君が傍にいてくれて、触れているって言う幸せを実感したいんだ」
 「だ、大丈夫です…スザク様が思う通りにしてください」
 顔が真っ赤になるのを自覚しながら、ぎこちなくなりながらも何とか首を縦に振る。
 本当は外は恥ずかしいんだ。
 恥ずかしい、恥ずかしい、恥ずかしい。
 そして、スザク様に触れられていると思うと、もっと恥ずかしくて、どうしようもなくて、とてもドキドキするんだ。
 でも、そう思っていられるのも少しの間で、キスを繰り返すうちに段々と頭がぼうっとしてきて、スザクさまの事しか考えられなくなってくる。
 スザク様のことしか考えれなくて、スザク様でいっぱいで…僕はこの時が好きなんだ。
 初めてこういうことをした時は、とてもビックリしたけど、でも怖いなんてことなかった。
 スザク様が触れてくれるすべてが、特別で何事にも変えがたいことだから。
 大好きな人で満たしてもらえるって胸がいっぱいで、ちょっと切なくて胸が痛くて…でも幸せで日向ぼっこをしている時みたいに心がぽかぽかと暖かくなる。
 だからもっともっとって、スザク様に触れてほしいって、触れたいって思ってしまうんだ。
 大好きな人に触れてもらえるのは、上手に言葉に表せないけど、とても嬉しい事なんだってスザク様が教えてくれたんだ。
 だから、スザク様も同じ気持ちならもっと僕に触れてください。
 僕は、ここにいるから。
 絶対に離れないから…あなたをもう一人にしないから。
 だから、もう一人で怖いなんて泣いたりしないで。
 スザク様が僕に触れる事が幸せなら、もっと幸せだってちゃんと思ってほしい。
 「ふぁ…も…と…」
 スザク様をもっと近くで感じたくて、僕は手を伸ばす。
 僕より固くてしっかりとした腕が触れて、僕はぎゅっと握った。
 僕からも触れる事で、スザク様に僕がここにいるってわかってほしい。
 「ルル…」
 「スザ…ク…さ…まぁ…」
 キスの合間に名前を呼ばれて、もっと呼んでほしいとお願いするように腕を引く。
 普通の名前だと思う自分の名前も、スザク様に呼んでもらえると、何だか特別で自分の名前が好きだと思えるんだ。
 「やぁ…」
 舌を絡めている間に、僕の舌が軽く甘噛みされて、背筋がゾクゾクと、体の奥から震えた。
 体が触れてもらえるたびに…どんどん熱くて、火照っていくみたいだ。
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