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□純情可憐狂想曲〜second season〜
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 どうにもならない熱を持て余して、俺はシャツの裾をぎゅうっと握る。
 「ずっと好きだった子と両思いになったって言ったら、その子も誘いなさいってだって。だからルルーシュももちろん一緒だ」
 「す、スザク…」
 体の熱も何もかもが辛かったが、それでもスザクの言葉に胸の奥が幸せになることは変わらない。
 ちゃんと好きな子として紹介してくれて、さらに親戚の人からもそれを認められて、民宿に泊まりにいけるなんて。
 「嬉しい、よ…」
 無理やりにでも笑顔を作って、スザクの手を握る。
 力の入らない手だから、ただその上に手を乗せただけになってしまっただけだけれど。
 「たくさん遊ぼう」
 「あ、ああ…」
 とりあえず何とか話は聞けたから、今度は俺の体をどうにかしようと思ったところで、スザクによってそれは阻まれた。
 「もうちょっと触らせて?ルルーシュが不足してるんだ」
 スザクはきっぱりはっきり言うと、俺のズボンへと手を伸ばして、下着の上から触ってくる。
 「さっきまでだって、き、キスしたり触ってただろ!」
 「でも、まだ足りない。だから触りたいんだ」
 こ、恋人同士になってから、スザクからの恋人としてのスキンシップが多くなったけど、それは嬉しいけど…もう少し言葉をオブラートに包むとか、恥ずかしがる俺の身にもなってほしかった。
 ただ、スザクは恋人として触れたいって思ってくれているんだろうけれど、俺はどうしようもなく恥ずかしいんだから。



ここから場面が変わります。↓↓↓



 カタンカタンと電車に揺られて一時間。
 まだつくにはもうしばらくかかりそうで、電車の中で俺はついうとうとしてしまっていた。
 初めての旅行と言う事でとても楽しみで、なかなか寝れなかったからだ。
 だからと言って、好きな人の前でそんなまぬけなことを言えず、俺はただ必死に重たくなっていく瞼を擦って起きようと頑張るしかない。
 スザクの声が遠くになりかけたりもするけれど、それでも何とか聞いて、返答はしていた。
 「あと、一時間くらいでおばさんが経営している民宿につくよ。本当に小さな頃に顔を出したきりだったから、会うの久しぶりだな」
 「そう、か…」
 懐かしそうに、過去の思い出を慈しむように話すスザクの顔はとても優しい。
 優しい笑顔は安心感を与えてくれて、さらに眠気を誘う。
 「う…むぅ…」
 目をまた擦って起きようとすれば、その手がスザクに取られて、目元にキスを落とされる。
 ここは外だって言う事は、今の眠くなってしまっている思考には働かなくて、されるままに何度もスザクの唇が俺の瞼の上に落ちた。
 「そんなに擦ったらルルーシュの可愛い目元が赤くなるから、擦るなよ」
 ちゅっと音をたてて、また口付けられる。
 愛しいものへの優しさだけに満ちた、羽のような口付け。
 安心だけを与えてくれる、大好きなスザクの唇が触れる。
 「ついたら起こしてやるから、ルルーシュは寝てて良いよ。また次の日が楽しみとかで寝れなかったんだろ?」
 昔から変わらないな、とスザクは愛しそうに、俺に向けて言葉を零してくれる。
 硬い肉厚のある手が俺の肩へと伸びると、それが倒されて俺の頭は彼の肩へと乗せられた。
 「肩を貸すから寝てろよ」
 「ん…」
 肩に触れていた手は、髪へと伸びて、指がそれに滑らされる。
 遊ぶように指に絡めたり、梳いたりと、髪を撫でる指先は優しかった。
 スザクの体温は暖かくて、優しくて、じんわりと愛しい気持ちを伝えてくれる。
 そんな幸せに包まれて、そっと瞳を閉じた。
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