猫耳・狐耳ルルNOVEL

□恋狐
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この話はナチュラルにルルたんが狐で、狐耳とかしっぽとか出てきちゃってます。そんなルルたんでスザルルが大丈夫!、と言う方だけ先にお進みください。
なお、事実と食い違いなところとかたくさんあって穴だらけだと思いますが、ファンタジーと言うこと許してください><


 初めての恋をしたのは、まだ小さな頃の夏の季節。
 俺は狐で山に住んでいたけど、食べる物がなくて、こっそり人間の街に引っ越してきた時、俺は恋と言うものを知った。
 いつも人に見えないようにこっそりと人間たちのことを観察していたけれど、その日はたまたま神社の祭りの日だったと思う。
 明るい賑わいと生き生きとした人々。
 準備からみんながわいわいとして楽しそうで、とてもうらやましかった。
 人間はどんなことをするんだろう?
 自分は狐なのに、人間たちのことがとてもとても気になった。
 こっそりと見つからないように、影に隠れながらこそこそとお祭りの方へと寄って行くと、小さな子供と目があった。
 小さな子供は目を輝かせて、俺の方へと駆け寄ってくる。
 ふわふわのくせっ毛の髪に、俺が住んでいた大好きな森の緑を持った深い瞳、優しいお日様みたいな笑顔、真っ白な着物に、袴をはいていている。
 子供のぽかぽかの安心するお日様みたいな笑顔に安心感が生まれて、逃げることも忘れてそうになる。
 でも、人間は怖いものだと母さんから教えてもらっていたから、俺はすぐに駆け出した。
 見つかったら捕まって殺されるって聞いていたから。
 ぱたぱたと駆け出してしばらく走っていると、また別の子供に見つかる。
 今度の子供は何か好奇心旺盛に俺を見つめて、ばたばたと駆け寄ってくる。
 …何だかさっきと違って嫌な予感がした。
 逃げ出そうと後ろに振り向くと、また別の子供。
 左も右も子供がいる。
 あとは、想像した通り。
 物珍しい狐はあとは子供たちのかっこうの獲物だ。
 放り投げられたり、殴られたり、叩かれたり。
 今思いだしても痛くて痛くて、気が遠くなりそうだ。
 痛くて痛くて、傷がずきずきとして、そのまま死んでしまうんじゃないかと思った時、俺をいじめていた子供たちの動きが、誰かの制止に寄って止まった。
 体が動けず、霞む視界で声のする方へと向くと、俺の大好きな森の緑が見れた気がした。
 森に帰ってこれた…?懐かしい大好きな森に?
 そんなことがあるはずがないと思ったけれど。
 俺は安堵から一気に記憶が遠のいた。



 痛みに眠っている事も出来ず、段々と目が覚めてきて、ぱちぱちと瞳を開いてもぞもぞと体を動かすと、痛みが全身にとても走る。
 何だか俺の体には、布の細いものがぐるぐると巻いてある。
 がっちりと巻いてあってすごく動きづらい。
 「良かった…目を覚ましてくれて…」
 ぐすぐすと鼻をすする泣き声が頭の上からして、俺は体を動かすととても痛いから、視線だけ上げた。
 そこには、あの森の緑の色を持った瞳の子供がぼろぼろと涙を零していて、俺の体を撫でる。
 撫でられて痛みが走ったけれど、母さんが俺の体を舐めてくれるような優しい気遣うような触れ方だったから、俺も何も言わずに撫でられるまま。
 こいつの手は暖かくて、優しくて。
 初めてこいつを見た時に感じた、お日様の暖かさをまた感じた。
 見返りを求めない優しく照らしてくれるお日様の暖かさ。
 人間なのに、そんな優しさを感じたんだ。
 人間の子供は、我がままで自分勝手で、物珍しいものを見ると何をするかわからない。
 そう母さんには教わっていたから、絶対に近づいたらいけないと言われていた。
 でも、母さん、こいつは全然そんな感じはしないよ。
 さっきの子供はすごく怖かったけど、こいつはそんな感じがしなかった。
 そんなに泣かなくても大丈夫だ、と伝えるために、痛い体を動かして、俺は子供の手をぺろぺろと舐めた。
 もうそんなに泣くなよ、泣きすぎたら目が溶けるぞ。
 ぺろぺろと舐めていると、子供が鼻をすすりながら、しゃくり上げる。
 泣きすぎたのか、すっかり掠れてしまった声で、良かった、良かった、と子供は何度も言葉を零した。
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