B A D.
□後
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何が目的だったのかいまいちよくわからなかった喧嘩を終え、二人はひとまず教師達が騒ぎを聞きつける前にこの場を離れることにした。
銀時は、月詠を『バイク通学禁止!』とでかでかと張り紙されている駐輪場の真反対に位置する裏門へと連れて行く。
そこにひっそりと駐車されていた『銀』と書かれた白いバイクにヒョイと跨がり、後部座席をポンポンと叩いた。
「ホイ、後ろ乗って。」
「おい・・・それで何処へ連れてくつもりじゃ?」
「まぁいーからいーから。」
「・・・・・・」
月詠は先ほどの銀時のドSスマイルを思い出し、少しばかりではない不安を感じていた。
しかしいつまでもここにいたら、きっと騒ぎを聞きつけた教師等が駆けつけて面倒なことになるに違いない。
それはやはり避けたい月詠は、渋々といった体で銀時の後ろに跨がった。
「しっかり捕まってろよ。」
「わかっておる。」
ぶっきらぼうにそう言うと、月詠は銀時の両肩にがしっと捕まった。
「・・・・・・いや、なんで肩?電車ごっこじゃねーんだからよ。」
「別にどこに捕まったって良いじゃろう。」
「よくねーよ!普通は腰に手回すだろーが!出来れば胸を強調する感じで!」
「誰がそんなことするかぁぁ!!ぬしはどこまで変態なんじゃ!!」
「変態じゃありませんんんそういうお年頃なんですぅぅぅ!!」
「開き直るな!!」
「あ痛ァ!!」
月詠はまたもやアホな発言をしてくる目の前の銀髪頭に拳を一発かまし、『さっさと走り出せ』とがなり立てた。
未だに不満げな表情だったものの、銀時は殴られた箇所をさすりながらエンジンをかけた。