DREAM
□もしも
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もしも…ホントにもしも…君も僕のことを思っていてくれてたら…なんて…
もしも
「…ん…」
窓から漏れる朝日の眩しさに目を開いた。俺は半分眠気眼で目の前に広がるいつもと変わらぬ天井をぼんやりと眺めた。
それからどれだけの時間が経っただろうか。
ふいに部屋の外から清らかな女の声が聞こえた。
急いで支度をして廊下に出ると淡いピンク色の着物を着た女が俺の目の前を通りすぎるところだった。
俺の、想い人。紅だ。
『あら、山崎さん。おはようございます。』
紅は俺に気付いて軽く会釈をした。
「おはよう、紅。今日はいつにもまして早起きだな」
おれがそう答えれば、ニッコリと効果音が付きそうなくらい笑って、
『だってあんまりいい天気だから嬉しくて…』
と言った。
その表情があんまり美しくて、俺は思わず見惚れてしまった。