Various

裏切りは戸惑いだから
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敵対となる勢力に宣戦布告をしたのは、つい一週間前のこと。信用できる仲間は沢山いて、裏切るような人材はいない。私は彼等を駒としてなんか扱っていなく、彼等と共に前線に立つこともある。結果、私は人望が厚いということで彼等……部下に慕われている。

問題はここから。敵対勢力に宣戦布告をしたのはいい。けれど、今の状況はよろしくない。何故かというと、敵対勢力から除外されるであろう、全く無関係なやっこさんがおいでなさったからだ。しかも、これまた巨大勢力なる独立暗殺部隊。これはお笑い草。何故この方達がおいでなさるのかが疑問だ。




「あー……どちら様で?」




首を傾げてにっこり笑う。スマイル0円とはこのことだ。この笑顔は全く持って無害。そして、無邪気故の最上級たる残酷。理由は簡単。つい数分前までは親しみ笑いながら、私と共にテキーラを飲んでいた部下が、大量の血に塗れて、上質な椅子に座る、私の足元にて息絶えているからだ。

前方には、彼の有名な裏社会を牛耳るマフィアの、独立暗殺部隊のボスがいる。その後方には、彼の部下らしき者が数人。金髪の少年、小さな赤ん坊、銀髪の青年、……キモいの2人がいる。これで計6人。




「チェスコファミリーのボスはお前か」




情報が割れてる。売ったのは誰?ああ、考えるまでもない。敵対勢力、あのマフィアか。よくもこんな仕打ちを。あいつ等、この私を嘲笑っているのか。それもそうだ。私の両親は殺し屋から出世し、多くの仲間を手に入れ小さなマフィアを創立した人。私はその一人娘。

僅か17歳であらゆる知識を持って、その才能を裏社会に繁栄させて3桁もの人を殺し、20歳で両親が築き上げたこのファミリーを継ぎ中位マフィアへと格上げ。女ボスということであらゆるボケ共に罵倒され潰されかけたことか。まあ、そんな奴等、私の手に掛かれば切り捨てられるだけ、なのだが。

女だからって舐めるな。




「確かに、私がチェスコファミリー二代目ボスだ」

「なら、話は早い」




独立暗殺部隊のボス、彼の有名なボンゴレ九代目の嫡子、ザンザス。

今のところ、彼が何かをしそうなんてことはない。落ち着いている。ただただ冷静に。そして冷酷に。だけどいつ、私に銃口を向けるか分からない。……今更、部下が全滅のこんな状況下で、まだ生きていたいとは思わないのだけれど。




「ボンゴレ十代目からの要請だ。チェスコファミリー二代目ボスを裏切ったチェスコファミリーを潰せ、とな」

「……え、」













(どういうこと!?)
(チェスコファミリーは、てめえが二代目を継いだ継承式の3日後にてめえの両親を殺した)
(……、……)







***


確かに私の両親は、継承式の3日後に死んだ。敵対するファミリーに殺されて。……ボンゴレ十代目?ああ、ツナか。そういえばツナ、ボンゴレの人間だったね。じゃあ、私、裏切られてたんだ。

ツナの知人です。ていうか元並中同級生しかもツナの想い人設定。だから一応、ツナ寄り?いや、なんか違う気がするけどそんなとこ。



20101216





 

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