Various

好き好き大好き愛してる
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神様、私ね、本当にこれでよかったのか分からない。全部私がやったことなのに。なのに、どうしてかな。どうして、あんなことになっちゃったのか分からないの。ただ愛してほしかっただけなのに。なのに、こんな仕打ちは酷過ぎるよね。ねえ、そう思わない?




「あーあ。こんなに真っ赤になっちゃって……また拭かなきゃならないね」

「――――」

「ほら、こっち向いて。うん、そう。じゃあそのままジッとしててね」

「――――」

「うん。ね、綺麗になったでしょ?ああ、そうだ。私ね、素敵なことを考えたんだよ。聞きたい?」

「――――」

「あのね、喜んで?私ってば頑張ったんだよ?貴方を散々ガキ呼ばわりしたヴァリアーを皆殺しにしちゃったんだよ」

「――――」

「それから、それからね?六道とかいう髪型が変な人とか、それによく似た女の子も。それと、頬っぺたがバーコードになってる人と名前が犬って人も殺したよ!」

「――――」




赤いのが私の頬っぺたにべったりと付く。拭いても拭いても付いちゃうそれに溜息を吐いて、その場にぺたんと座り込む。そしたらぺちゃって音がして、私のお洋服に赤いのが沢山沢山付いちゃった。まあ、最初から付いてたからいいんだけど。




「それからね、ハゲな双子も名前にMが付く子も変なおじさんも殺したんだぁ。あとはー……そうだねぇ。忠犬な獄寺も、親友だっていってた山本!あの2人はちょっとてこずったよ」

「――――」

「でねっでね!褒めてほしいのはこれからなんだぁ。あのね、リボーン君を殺すことに成功したの!苦労したんだよ?赤ちゃんなのにあんなに強いなんてすごいよね!!」

「――――」

「子牛ちゃんも、星の子も、イーピンちゃんだっけ?あの子達も殺っちゃったよ。で、ママさんもね。あとは、ビアンキさんも。パパさんもね、ヴァリアーを殺った時に。ディーノさんとこのファミリーもね」

「――――」

「本当の本当に苦労したんだから、早く誉めてよ!私、頑張ったんだからね?だから、ねえ、早く。はや――」

「――――」




ぺちゃ、と鳴り響いた音に、笑顔になる。それは私が動いたから発生した音。愛しい赤の音。

大好きな彼の斜め前に転がる真っ赤な物体を眺めながら、口を開く。




「感謝してよね。花は見逃してあげたんだから。自業自得なんだよ、京子」













(好きなの、ツナ)
(好きで大好きなの)
(だから愛してください)







***


赤い赤い、好きで好きで大好きで愛しくて仕方のない最強で最愛の彼――ツナ。私は貴男を愛し続けましょう。例え貴男の心が他の女に向けられていたとしても。だけどその時は覚悟してね?ツナの大切な人達を失わないように。――なーんて、遅いだけなんだけれど。

ツナが京子を選んだが故に狂ってしまった女の子。



Title by 晴・雨・曇

《20101004》





 

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