短編

□Gag in the future
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Gag in the future


※この小説はRing in the futureのギャグverです。


太陽の光がちらちらと降る雪や雫を煌めかせる昼下がりの教室。

その光が差し込む席に彼は座っていました。


「あぁ…相棒…。今日も美しいぜ…。三幻神も相棒の神々しさの前では唯の紙クズだ…。」


惚れ惚れとした《遊戯》の口から繰り出されるのは何気に非道な言葉。

オシリス、オベリスク、ラー涙目。


「《武藤》、思いっきり余所見するのはやめないか…?そして大声で独り言も出来ればやめてくれ…。ぶっちゃけ真面目に授業を受けt「少し黙ってろ」……はひ…。」


教師も涙目です。

仕方がありません。《遊戯》は元々王です。ファラオです。エジプトでは神格化された存在です。寧ろATMなのですから。


「先生は…、先生はッ…!もう…早退してやるぅぅう!」


泣きながら教室を出て行く教師。

真面目でまともな神経の彼にはマイクラマニアや電波、ウサミミにネタバレガール、栗まんじゅう頭の空気や、歩くエロビ貸出機、見た目は子供頭脳はゲーム脳なショタを始めとする濃ゆいクラスに勝てるはずがないのです。

青眼白龍贔屓のデュエルヲタクがあまり登校してこなかったり、キザ背景がアメリカに行っていても、中々この濃ゆさは薄まることなどありません。


「先公が早退してったってことは…今日はこれで授業終わりだぜ!ひゃっほーっ!」


「遊戯君、さっきから手元がキラキラしてるから何かな〜って思ってたんだけど…。」


「あ、これね、今日拾っ…。」


歩み寄って来た獏良に指を見せ、言葉を紡ごうとする遊戯を獏良が遮りました。

城之内君の発言に対してはスルーです。ちょっと酷いですね。


「遊戯君、君には辛い事実かもしれないけれど…今の日本の法律じゃ、男性は18歳になるまで結婚出来ないんだよ…。」


「え?」


頭に疑問符を浮かべる遊戯の手をがしっと握り、獏良は尚も続けます。


「でも大丈夫。後1、2年もしたら結婚できるよ!それまで…それまでコレは大事にしまっておくんだ…僕で良ければいつでも相談にのるからね!」


言いたい事を一方的に好き勝手言い放って場を離れる獏良。

涙を呑んで…といかにも言っていそうな後ろ姿です。

獏良の演技掛かった涙を雨とするならば、ピシャァァ!と落ちる雷な人も実はいたのです。これが。


「あ、あ、相棒…!け、けけけ結婚って、んな、…なんだー!!!」


そう、いつでもどこでも相棒命な《遊戯》でした。

どもり過ぎです。噛み過ぎです。

憧れの決闘王のこんな姿を子供達がみたらどう思うでしょうか。

チビッコの夢を壊すのはいけませんね。


「なんだぁ!?遊戯、結婚すんのかぁ!?」


《遊戯》の渇いた叫び…じゃなくてどもった叫びを聞いた仲良しグループがわらわらと遊戯の席に集まっていきます。


「水臭いじゃねぇか遊戯!何で教えてくれねぇんだよ〜!」


「恋人が居るって話さえ聞いてないぜ!」


「遊戯…!遂に私との結婚考えてくれたのね…!」


「Σ杏子!相棒は渡さないぜ!デュエルで勝負だっ!」


やいのわいのと盛り上がる彼等。


「おっ、指輪なんかはめちゃって…相手は誰だよ?この心の美化委員、本田ヒロト様に言ってみなっ」


「「(指輪!?)」」


「ほーう…プラチナか…。」


たるたると怠そうに歩いてきたバクラが遊戯の薬指で輝く指輪を見ていいました。

流石盗賊王。金目の鑑定はピカ一ですね。


「えへへ、綺麗でしょ?あげないよっ!」


「いらねぇよ!」
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