短編
□開かずの扉
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開かずの扉
「もう一人のボクッ!早く出て!」
ドンドン!
「ま、待ってくれ相棒っ!まだ腹の調子が…うっ…!」
「ボクだって…お腹痛いよっ…!早く〜!」
扉越しに怒号混じりで会話をするオレ達。
…トイレの、扉を挟んで。
「早く…本当…もう無理……。」
「あ、諦めるな!相棒!」
「じゃあ早く出てよ!…うぅっ…。」
「もう少し待ってくれ…!悪魔族ゲーリーの拡散する波動が…」
「冗談言ってる場合じゃないでしょー!!」
オレ達がこうなってしまった原因は3時間前にある。
☆回想スタート☆
「遊戯〜!初めてクッキー焼いたんだけど、食べない?」
「焼き色も綺麗で旨そうだな。」
杏子の焼いたクッキーは、初めてと思えない程上手に出来ていた。
狐色の甘く香るクッキー。
「いただきまーす!!」
口にしてみれば、見た目通り味も中々で、オレ達は袋一杯のクッキーをすぐに空にしてしまった。
「ごちそうさま。杏子!美味しかった〜!」
「ああ。杏子にこんな特技があったとはな。」
「そう!良かった〜!」
オレ達3人はその後ゲームをしたり、会話したりで楽しく過ごしていた。
…杏子のケータイが鳴るまでは。
「ごめーん、お母さんからだわ!電話出るわね。」
「どうぞ、どうぞー!」
「もしもし、どうしたの?…うん、うん。…下剤?知らないわよ。……え、冷蔵庫の右上…?ベーキングパウダーじゃないの!?クッキーに使っちゃったわよ!!」
ゲームをしていたオレ達の手がぴたり、と止まる。
「げ、下剤…?」
「下剤って…あの下剤か?」
「「…………。」」
「…オレ、腹の調子が…トイレ行ってくるぜ…。」
「ぼ、ボクも…。」
☆回想終わり☆
「代わってー!代わってぇぇ!もう一人のボクー!!!」
「お、オレはこの世での身体にまだ慣れてないんだぜ!げ、下痢なんて3000年ぶりで…。」
「それとこれとは別だよぉぉぉ!!」
〜あとがき〜
下品なネタですみませんでした☆rz