短編

□節分バトル
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節分バトル


がりっがり…


「もう一人のボクっ!ファイトー!」


オレは今真剣勝負の真っ最中だ。


「このミレニアムバトル、負けるわけにはいかねぇなぁ…。」


がりがりがり…


「頑張れ〜。」


オレの相手はバクラ。

バクラは強い。特に獏良君がバックについた奴はかなりの強さだ。


「バクラ〜負けたらトイレに住まわせるからね〜。」


「…負けられねぇ!」


がりぼりがりぼりっ


「やるな…バクラ!でもそんなんじゃオレを倒す事は出来無いぜ!」


がりがりがり…


日は2月3日。なんでも節分とかっていう行事があるとかなんとか…。

丁度暇を持て余していた獏良君が節分の概念を教えてくれた。






☆回想スタート☆





「節分はね、鬼を祓う行事なんだって爺ちゃんが言ってた。」


「…鬼?」


「そう…節分。熱く激しい決闘の日…。」


「決闘…!!」


「え、獏良君…決闘って…。」


「今日は鬼を祓う闘いの儀を行う日なんだ!」


「ば、獏良君…あのぅ…。」


「決闘者は3つの闘いで相手を打ち負かすんだ。相手の心に宿った鬼を追い出してあげるんだよ。」


「鬼が…宿った心…!!」


「実はね…《遊戯》君に鬼を追い出して欲しい人がいて…。」






☆回想終わり☆






そんなこんなで、オレはバクラの心の鬼を追い出すことになった。


「バクラ…!今助けてやる…!」


「俺様を助けようと思うなら負けるモンだろうが!!トイレになんぞ住めるか!」


バクラの中に住む鬼が負けじとオレに対抗しているようだ。


「一回戦に負けて随分焦っているようだな。」


がりぼり


「宿主の威圧が…」


「バクラ?喋ってばかりだとトイレ永住だよ〜。」


「うっ…。」


がりがりがりぼりばりばりごくん。


二回戦の内容。それは年の数だけ炒り豆を食べると言うものだった。

オレとバクラの豆の数は3000強。

これが中々強敵で、どんどんオレの胃袋を圧迫していく…。

これが鬼の力なのか…!


「あれ、お前、《遊戯》君にかなりの遅れを取ってるじゃない。」


バクラの皿に積まれた豆を見て獏良君が言う。


「凄いや!もう一人のボク!」


相棒がオレに拍手喝采を浴びせてくれた。

相棒!ありがとう!


「くっ…ウィジャ豆発動!」


「なんだと!?」


「D!」


がばっがりがりがりがりがりがり


「E!」


がりがりがりぼりぼりぼりがりがりがり


「くっ…。」


どうやらバクラは必殺技を発動したらしい。

文字を一つ言う度に凄い勢いで豆が胃に収められていく。

このコンボ…完成させては危険だぜ!


「A!」


がりがりがりがりがりがりがりがりがり


「…トラップ発動!浅過ぎた胃袋!!」


「何ィ!?……うっ…。」


オレのトラップで何とかコンボは阻止できたようだ。

浅過ぎた胃袋の効果でさぞバクラの胃袋は苦しいことだろう。

すまない…バクラ。お前を救う為だ。


「貴様ぁぁ…!」


「オレはラストスパートをかけるぜ!」


長き闘いの末、オレの皿にある豆は後僅か。

皿を持ち上げ、傾けて…。


がりがりごっくん。


「はい、《遊戯》君の勝ち〜。」


「おめでとう!もう一人のボク!」


「ありがとう…相棒。相棒の声援があったからオレは勝つことができたぜ!腹はいっぱいになったしな。」


「や、宿主…。」


「トイレ決定〜。」


「Σ宿主ぃぃー!!」


「ちゃんと残りも食べないと駄目だよ。節分なんだから。」


その様子を見てオレ達は笑った。

バクラの心の鬼も、かなり弱ってきてるみたいだしな!


「じゃあ、バクラが豆を食べ終わったら三回戦をしようね。」


「獏良君、三回戦は何なんだ?」


「恵方巻だよ。」


獏良君の言葉にバクラの顔から血の気が引いた。


「相棒、えほーまきってなんだ?」


「えっと、恵方巻はね…。」


相棒の説明を聞いて、オレも固まらざるをえなかった。

……オレの胃袋よ、耐えてくれ…。







〜あとがき〜
炒り豆3000粒でお腹いっぱいになるのかはわかりません(爆

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