短編

□アイス
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アイス


「ばにら〜ちょこ〜♪」


「いちごにきゃらめる〜♪」


「いっぱい買ったね!遊戯君!」


「楽しみだね〜!獏良君!」


アイスの沢山入ったスーパー袋を揺らして二人は歩く。

中身は今しがた買ったばかりの大量のアイス。

バニラにソーダ、ストロベリー、チョコチップ、抹茶等々…。


「まだ寒いから暖かくして食べようね〜。」


「うん!」






「どれ食べよっか〜。」


鼻歌を歌いながらアイスを漁る獏良。


「ボク、チョコが良いな!」


「僕はバニラにしよ〜。はい、遊戯君。」


「ありがとう!」


獏良から受け取ったチョコアイスを満面の笑みで受け取る遊戯。

彼等は嬉しそうに蓋を開けるのだ。


「いただきまーす!」


「いただきまぁ〜す。」


ぱくっと一口食べれば口内に広がる甘さと冷たさ。


「ん〜おーいし〜っ。」


「幸せ〜。」


ほのぼのとアイスを味わう彼等。


「遊戯君、一口頂戴〜?」


「いいよ〜!はい、あーん。」


「あーん…。」


ぱくっ


「チョコも美味しいね〜!はい、僕からもお返し〜!」


「ありがとう!…あーんっ…美味しい〜!」


ほんわかと流れる時間。

笑いながらアイスを食べあう2人の傍らに、暗い影があった。


『うぅっ…獏良め…相棒に食べさせて貰うなんて…オレは一度も…。』


『器のくせに…宿主のおやつを分けて貰うだと…!?』


今にもハンカチーフで涙を拭ったり、噛んだりしそうな二つの影…基、もう一人の遊戯とバクラ。


「次はどれにしようか〜。」


「うーん…迷い所だぜ〜っ。」


「僕は苺にしようかな。」


「じゃあボクも〜!」


仲良く2つの苺アイスを取り出して食べ始める。

アイスの減りは凄まじく、2つ目をあっという間に食べ終えた遊戯と獏良は3つ目のアイスを食べる。


「ひゃー!口の中冷たーい!」


「温かいお茶あるよ〜、飲ませてあげるね〜!」


獏良が遊戯の口にゆっくりとお茶を流してあげた。


『何故だ!宿主ぃー!そんなもん自分で飲ませりゃいいじゃねぇか!』


『待てバクラ!!今交代したりしたら嫌われるのはオレ達だぜ!!』


そんな光景が、後ろの二人には面白くない。


『大体テメェが器の手綱をしっかり締めときゃこんなことにはならなかったんだ!!』


『なんだと!?バクラこそ獏良君にちゃんと告白すれば相棒は巻き込まれずに済んだ筈だ!』


挙げ句、行き場の無い怒りをぶつけあう始末。

そうこうしている内に表人格の二人は3つ目を制覇し、次のアイスへと手が伸びていた。


『へっ、王様よぉ…お前はどうなんだよ?器にスキのsの字も言えないくせによぉ…?』


『それはお互い様だ!』


ぎゃーぎゃーと途方もない言い争いは続く。


「獏良くーん、鼻にアイス付いてるよ。」


「本当だ〜…勿体ないなぁ…。」


「取ってあげるね!」


机から身を乗り出した遊戯。自身の顔を獏良の顔に近付けて…。


ぺろっ


『ΣAIBOOOOOO!!!』


『器テメェェェェ!!』


「ありがとう、遊戯君。折角のアイスが無駄にならなくて良かったぁ〜。」


『Σそういう問題じゃねえだろ宿主ぃぃぃ!』


裏人格’s、大荒れ模様。


「次は〜♪」


そんな彼等に気がつく事もなく、遊戯と獏良はアイスを漁る。

そして食べる。

食べ終わればまた次のアイスを漁るのだ。


『…ところでよ、いつまで食べる気だ…?』


『さぁ…な…。』


『…………。』


『…………。』


『…正露丸あったか…?』


『オレも家に腹痛の薬あるか探して来るぜ…。』


慌てて腹痛に効く薬を探し始める二人。

しかし、やっぱり気付かない遊戯と獏良はほのぼのしながら次のアイスに手を付けるのだった…。






〜あとがき〜
何が書きたいのかよく分からない一品…(死

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