短編

□Gag in the future
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「あれ?バクラ、結婚指輪欲しいの?家事とか頑張ったらいつか買ってあげるよ〜。」


「や、宿主…お前…。俺をちゃんと見てくれてたんだな…。」


うるうるしながら獏良を見つめるバクラを無視して話はどんどん進みます。


「これはね〜、本来持つべき人に渡すんだ!」


にこにこしながら遊戯が言いました。


「「(ほ、本来持つべき人…!!)」」


「…その指輪はオレが貰うぜ、相棒。」


しなやかな動作で手を出す《遊戯》。

そんな彼を突き飛ばし、杏子が恥ずかしそうに手を差し出しました。


「私、ずっとこの時を待ってたの…。遊戯、一緒にヴァージンロードを駆け抜けましょ!」


約2名の頭の中では、遊戯の持っている指輪=遊戯が結婚したい相手に贈る指輪=遊戯からのプロポーズ、と何とも都合の良い解釈が生まれていました。


「あ、杏子。お前《遊戯》が好きなんじゃなかったのか?」


指輪の取り合いを始めそうな2人の剣幕に顔をひきひきさせながら城之内が言いました。


「こんなヘタレ王、もう好きでもなんでもないわよ!」


すかさず杏子が答えます。


「よし、杏子。ゲームをしよう。内容はどちらが相棒から指輪を貰えるかだ!」


「面白そう〜。僕も参加する〜。」


「Σ宿主ぃぃ!?お、俺も参加だっ!(宿主が勝つ事は阻止しないと…!)」


「ゲームと言えばこの城之内様も忘れんなよな!参加だぜー!」


「…皆勘違いし過ぎじゃねぇか…?城之内に至っては主旨分かってねぇし…。」


唯一、常識的な考えを持ち合わせた本田が溜め息を吐きました。


「それじゃ…5秒後にスタートだ。5、4…」


「あのぅ…。」


今まさに指輪争奪戦が行われようとした矢先、遊戯が小さく挙手します。


「この指輪、ボクのじゃなくて落し物なんだけど…。帰りに交番に届けようと思ってるんだ。」


「「「…………。」」」


ぽかんとする《遊戯》と杏子と城之内。

なぁんだ〜とつまらなさそうな獏良。

一人でこっそり胸を撫で下ろすバクラ。


「つまり…、遊戯の結婚話とか全部俺達の勘違いだったのか?」


皆を代表して本田君が訊いてくれました。


「うん!皆盛り上がってたから中々言えなくて…、ごめんね。」


「相棒…、相棒は何も悪くなんかないさ。」


少ししゅんとした遊戯をフォローしましたが、《遊戯》の表情は思いっきり落胆しています。


「な、なんかごめんねっ、…そういう訳だからボク、もう帰るね。お先っ!」


「あ、相棒、オレも一緒に行くぜ!」


こうして、落胆したり朗らかに手を振ったりしている友人に見送られ、2人は帰路につきました。






後日。






「もう一人のボク〜!プレゼントだぜっ。」


「ありがとう相棒。開けてみてもいいか?」


「勿論!」


遊戯が差し出した小さな箱のラッピングを丁寧に外す《遊戯》。


「こ、これは…!」


「君、この間随分指輪が欲しそうだったから。あんまり値段張ってないけど、シルバーだぜ!」


「あ、あいぼ…。オレの為に…!オレ、オレっ!すぐに相棒の指輪も用意するぜ!」


「え〜、お返しなんていいよ!あ、はめてあげるね!」


感動のあまり目頭が熱くなる〈遊戯〉の指にスルリと指輪をはめてあげます。


「ありが……ん?」


「ピッタリだ!良かったぁ。」


「相棒、はめる指が違うぜ?」


左手の中指にはまったシルバーリングを指差して《遊戯》が言いました。


「どうして?」


「指輪は薬指にはめるんじゃないのか?」


「やだなぁ!もう一人のボクってば。左手の薬指は結婚指輪をはめるんだよ。」


「ち、違うのか!?」


「?変なもう一人のボク〜。」


《遊戯》の恋は前途多難なようです。






「例えそういう意味じゃなくても相棒から貰ったものなら一生外さないぜ!!」







〜あとがき〜
何故だ…!何故闇→表になるんだ…!
つ、次こそは闇表を…!
ギャグもぬるくてすみません☆rz
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