短編
□おれたちの
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真顔で恥ずかしい言葉をつらつらと並べる2人。
ギャラリーの目がバクラともう一人の遊戯に最早向いていないことにも気付かない。
「ボ、ボク達、凄く見られてる…よね…?」
「…僕もそう思う…。」
居心地の悪さを覚える遊戯と獏良の事を知ってか知らずか尚も2人は言い募る。
「心清いのか清くねぇのかわからねぇよ!宿主はなァ、料理洗濯掃除…家事の全てをこなせる理想の伴侶だ!」
「ハッ。実際家事をしてるのはどっちだ?相棒のあいは愛のあいだぜ!たどたどしいあの手つき…。慣れない事をオレの為に頑張るあの困り顔がオレには…。」
「おい待て!それ以上言うな!ネタが一々アヤシイんだよ王様はよぉ!」
ギャラリーは引いている。
激しくドン引きである。
「…遊戯…やっぱりお前ら…もうそこまで…。」
「ないから!城之内君が思っているような事は何一つないから!!」
若干伏せた目で遊戯を見る城之内にぶんぶんと首と手を振る。
交際をしてはいるとは云え、何処まですることをシているのかは本人達にしか分からないのだ。
「そういえばよぉ…エプロンをしている宿主はもう悩殺モノでなぁ…。なんど喰っちまおうと思ったか…。」
「分かるぜ!バクラ!相棒のパジャマ姿にオレも色々と耐えるのが大変だ。」
「まぁ、しっかり喰えるところで喰っちまってるんだがな。」
「世の中そんなもんだぜ。」
うんうんと互いに頷き合う2人のせいで獏良と遊戯には視線がびしばしと突き刺さる。
「………。」
「………。」
「僕、逃げたくなってきちゃった。」
「ボクも…。先生まだ来てないし…休みにして貰うぜ…。」
実はその頃、教室の外で入るに入れない担任が突っ立って居たのだが、理由が理由と云うことで見逃して貰えた事を彼等は知らない。
「じゃあ…城之内君。ボク達帰るよ…。先生に休みって伝えて…。」
「お、おう…。」
クラスメイトの視線が痛い中、鞄を持ち教室を出ようとする表人格達に気がついた闇人格2人が追いかけた。
「相棒!どうした!何処か悪いのか?」
「おっ、帰るのか宿主。俺様も帰るぜ。」