BOOK
□novel
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ワガモノガオ
例えば世界の法則や
法律なんて下らないモノ
我が物顔で捨て去れば良い
馬鹿らしい現実も
貴方が居ればそれで良かった
(愛しいなぁ)
横で眠る恋人の腕に頭を擡げ、額に息が掛かるほど近くに顔を寄せてその閉じられた瞳を見つめる。
(睫意外と長いんだね)
なんか、可愛いなぁ黒様
そんな事、言ったらいつもの様に怒るのは解っている。だがつい口にしてしまうのは、怒った顔も好きだから。
想像の中に浮んだ恋人の姿に苦笑して、ふわりとその瞼に唇を落とした。
その頬が微かに動いたが、瞳が開く気配は無い。
(ふふ…ほんと、好きだよ)
この愛しいという感情がいつまでも続いて欲しいだなんて。
願うオレの我儘を
全て包む君が今ここに居る。
その優しさに甘える自分が
非道く可哀想な時もあるけど
(オレが我が物顔で近くにいるのは)
君と出会って、愛する過程で―下らない物全てがどうでも良くなったから。
それに君はそんなオレでも
愛してくれるんだろう
それなら今は全て忘れて
「我儘に愛させて、黒鋼」
いつか堕ち行く自分の為に
****************fin
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