BOOK
□novel
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拒絶
愛しさに酔い
孤独に堕ちる
君へと真っ直ぐ伸びた
道に空いた深みへ嵌る
それはとても心地良くて
最大の恐怖だった
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インフィニティという都市に着いて
最早3ヶ月の時間が過ぎた
この夜も、各々が床に就いたのは何時だろう。
疲労ばかりが募る
フロアには無造作に置かれた酒瓶。
そして目をソファーへ移すと
自らの食事とも言える人物
その紅は蒼を捕らえていて。
足元の酒瓶を
蹴飛ばしてみた
もちろん逆らう事もなく転がっていく。
そして音もなくその瓶が静止した。
「飲もうか、黒鋼」
最後の晩餐に
付き合って貰うよ
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初めて酒を交わしたのは
桜都国の夜だった
飲むのは知っていた、ただ機会が無くて交えた事はなかっただけ。
あの夜は酔いに負けて、何を口走ったか覚えていない。
否、忘れようとしたのか
ただ初めての情事が
あの夜だったのは記憶にある。
それは笑えるほど不器用なものだったけれど、愛しさに溺れた。
きっと
その心の奧では嘲け笑う自分がいて
何故なら
君はオレが殺すのだと
そう片割れを殺した時に命令されたのだから。
それを認識するきっかけともなる情事に、更に酔いが回らないかと願うばかりで。
もう少し
少しなんだ
きっとこの線の向こう
酔いが覚めない向こう側は
あまりにも近いけれど
抱えきれぬ禁忌に潰されそうで
手を伸ばせなかった
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「っ、…ふ」
「…辛いのか」
何を今更
鼻で笑おうとしたけれど
突然奥を突かれ阻まれた。
手を回したかったけれど
自分の何かが拒んでいる
桜都国の夜みたいには
いかない関係を押さえ
シーツを握る手に力を込めた。
「黒…が、ね…オレは君を…っ」
力を込め耳元に顔を近づける
吐く息は不安定だけれど、自分がこの後に綴った言葉は確実に伝わっただろう。
自分は
何を血迷っているのだろう
発した言葉を聞き取り君は
泣きそうな眼で
愛の言葉を言った。
酔いは終わり
晩餐を終えよう
自ら断ち切る
感情の一部を
この快楽も
この恐怖も
捨て去ろうと
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めのまえのあなたが
きえてしまうんじゃ
ないかって。
それはもう
ことばにならないほど
おそろしいとおもった
つのる、つのる
おもいばかり
いとしいなんて
しらなければよかった
fin
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