BOOK

□novel
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それは
音も立てず

流れた。



それを見ながら聞こえない音を想像してみると、やけにリアルに耳から爪先へ流れていく"鼓動"の音が伝わるのを感じた。

闇の中に突如現れた紅は
恐ろしいほど美しく見えたのだけれど、そう思ってしまった自分の心はとても濁って見えた。

規則正しいリズムで
滴る紅が誘う



「本当にしょうがないね

ー …『黒鋼』」


そのままオレは
その流れる血を口に運んだ。



*********************::fin


















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