復活CP小説

□Lo ho bisogno di te.
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「ねぇ…あなたは知っていたのではないですか?」

「―――え…?」

「こうなる事を…また再び僕が、あなたを殺そうとする事を…」


ベッドで眠っていた沢田綱吉が僕の気配に気付いて起き上がろうとする

右肘を突いて、上半身を少しだけ起こした状態の沢田綱吉の喉元に三叉の切っ先
を向けた

それでもあなたは…


「………お前は殺さないよ」

「―――…」

「お前は俺を殺さない」


全てを見透かす能力

その先を見据えた、堂々たる目差し

飲み込まれそうな程に強いそれに…僕はいつもいつも気圧される

あぁ、それでも…―――


「僕は…あなたを殺せない」


これは呪い

あなたを殺せば、僕も死ぬ事になる


「僕には…あなたが必要なんです」


これは誓い

あなたを護り、護られると誓った


「うん、俺にもお前が必要だよ」


伸びてきた手が、僕の頬に触れた

幻覚で出来て居た三叉が消える

その笑顔はいつも僕を泥沼へと引摺込ませる

知っていながら、僕は泥沼へ嵌まる事を望んでしまうんです


「泣くなよ、骸」

「泣く…?僕が?」

「うん、涙は出てないけど…心が、泣いてるように見える」


身体を起こして、胡坐をかいた沢田綱吉が、僕の頬に触れる

涙なんて流れない

そんなもの、とうの昔に捨ててきた

それなのに…


「あ、涙」

「っ、そんなの…」

「ほら、お前だって泣けるんだよ」

「――…っ」


あなたは、いつもそうだ

人のことをからかって、笑って、安心させてくれる

僕は、それを望んでいたのかもしれない

いつも、いつも…


「涙なんて、流すのは…久しぶりです」

「そうなの?骸は、いつも泣いてるように見えるけど」

「な…」

「それとも、俺の前でだけ?」

「か、らかわないで下さい…恥ずかしい」


ほら、また

僕を、笑わせようとするんだ


「……綱吉、くん」

「何?」

「好きです」

「…ははっ!知ってる」


あぁもう、本当に…


「なんでそんなに、自信満々なんですか」

「ん?だって、骸が俺のこと好きって言ってくれたんじゃん」

「だから?」

「だから、俺もお前が好き、大好き」

「…、誰かの前ですと、否定するくせに」

「お前だけに伝えられれば良いんだよ、他の人になんて聞かれなくたって良いだろ?」

「……」

「お前と俺が知ってれば良いんだよ」


本当に、この人は

いつもいつも、恥ずかしい

それでも、言って欲しくていつも言葉を誘導するのは、僕の悪い癖でしょうか


「ほら、そろそろ仕事の時間だろ」

「…えぇ、では、行って来ます」

「ちゃんと帰ってこいよ」

「えぇ」

「お前がいないと、意味が無いんだから」

「……分かっていますよ」


君のために、僕は…

人を、殺す



「さぁ、綱吉くんの邪魔をする人間は僕の前に出てきなさい」



僕がすべて、滅ぼしてあげましょう…―――



Fin...
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