ヒバツナ短編2

□小さな記憶
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君との出逢いは、とても昔…

それこそ、忘れていた大切な思い出の中に―――…






=== 小さな記憶 ===






「ランボ!イーピン!!いい加減にしてよ!」


日曜日 快晴 記憶を手繰る

今日も今日とて日曜日にお父さん状態の沢田綱吉

せっかく綺麗にした部屋が瞬く間に散らかっていく


「ほら二人とも!」

「なにすんだっツナのくせにー!」

「今日は恭弥さんが来るから外で遊んできてっていってるだろ!」


そう、今日は恭弥が来る

久し振りに私服で逢えるので綱吉は楽しみにしていたのだ

ランボとイーピンの追いかけっこが始まらなければ…


「いいか二人とも、今日は大人しく下に行ってて」

「なんでー」

「だから!今日は恭弥さんがくるんだってば!!」

「ランボさん関係ないもんねぇ」


その言葉に綱吉は切れる

ゴンっと鈍い音がしてランボの頭を拳骨で殴る


「っつ…」

頭を殴ったときに髪の中にあった10年バズーカまで殴ってしまった綱吉は手に痛みを感じだ

途端、ランボが目を潤ませて泣きはじめる


「が・ま・ん〜っ」

「してないだろ!」

「何してるの綱吉」

「きょ…っ!!」


ランボを叱ってやろうと思った瞬間、扉が開いて恭弥が入ってきた

驚いている間にランボが10年バズーカを取り出す


「うわぁぁぁぁ!」

「お、こらランボ!!」


慌ててランボを取り押さえたがすでに遅く、10年バズーカが発射されていた

煙が部屋に充満する


「ケホっランボ!」

「うわぁぁぁぁっ」

「え…?」


腕の中に居るのはいつもの5歳児のランボ

もしかしたら先ほど殴ったときにどこか故障でもしてしまっていたのか…


「……っ?!」

「ったぁ…」

「…も、しかして…恭弥さん?」


やっと煙が晴れて恭弥が居たところにいたのは小さな少年だった

背格好からして5歳くらいだろう

どうやら10年バズーカが逆に作用してしまったようだ


「…あなた、だれ?」


綱吉をみて首を傾げる恭弥(5)は今の恭弥をそのまま5才にしたような感じだった



 
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