D.Gray-man
□未定
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それは突発的に
教団内の食堂で昼飯の蕎麦をすすっていると、目の前の席に座るやつがいた。
一旦食べるのを止め、神田は不機嫌丸出しで相手を睨む。
「なんだ、モヤシ」
「…」
モヤシじゃないと反論すると思ったが、予想に反して無言のまま。
神田は拍子抜けしながら無言で蕎麦を口に運ぶ。
「これってなんだと思います?」
アレンは懐から何かを取りだし、ひらひらと揺らして見せる。
ただの紙だろ、と心中で思った。
だがその紙が一枚の写真で、よく見るとそこには自分と…が写っていることに気付く。
「どこでんなもん!」
まだ消化しきれていない蕎麦が口から出た。
だが神田はそんな事などお構いなしだ。
「うっわ、汚いですよ!それにしても、こんな趣味あったんですね…」
わざとらしくアレンは溜め息を漏らす。
「ってめえ…!」
立ち上がってその写真を奪おうと手を伸ばしたが、巧く交わされてとれない。
アレンは勝ち誇った表情を浮かべている。
「これ返して欲しければ言うこと訊いてくれますか?」
アレンはテーブルに右肘をつき、その掌を頬に当て怪しい笑みを見せた。
何か嫌な予感がする。
直感にそんなことを思いつつ、神田は食べ終わった蕎麦つゆの器に箸をのせる。
「…で、なんだ。言うことって」
別にアレンの望みなど聞いてやるつもりは塵ほど無い。
だが、そうしないとあの写真をばらまかれそうだ。いや、アレンなら絶対にやる。
神田はちっ、と舌打ちをするとアレンの次の言葉を待った。