D.Gray-man

□想い
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面影
朝から雪が降り続いている。
現在午後を下回ったのにも関わらず、衰えはしない。
その様子を神田は自室から眺めやった。

『……ユウ…』

自分の名前を呼ばれた気がし、押し扉を振り返って見たが誰もいない。幻聴だ。
ため息一つする。息が白くなり、上に上って消えていく。

「輝紗(きさ)…」

しん、と静まり返った室内、神田は一人呟いた。異様に自分の声が響いて聞こえる。
腰掛けていたベッドに仰向きに寝転った。
先程まで任務のため出張していたが、今回は珍しく長引いてしまった。任務場所が遠かったせいでもあるが、三週間もかかってしまった。
そのことも手伝ってか、目を閉じた時点で直ぐに眠りに落ちる。
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