偲遊記

□第二の刻 大地の子と蒼天の少女
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 「ふぅん。お前名前ないのか・・・。
付けてくれる奴とかいなかったのか?」

外には発っせられず、
心に聞こえた声に驚きもせず、
悟空は再び尋ねる。

以前三蔵が言っていた
“無意識に誰かを呼ぶ”
と言うことを悟空は三蔵にやっていたらしい。

ならばこの少女もそれが出来ても不思議ではない。

なぜなら彼女も自分を呼んだのだから。

悟空の問いに、少女はコックリと頷く。

どうやら“はい” “いいえ” で答えられる質問ならば、
反応を返してくれるようだ。

それはいいのだが・・・
しかしながら困ってしまった。

名前がない上に、
たぶん自分にしか聞こえない声。

(あの時、三蔵には彼女の声が聞こえていなかったし・・・。)


悩んだ末、とりあえず悟空は三蔵に少女が起きたことを伝えることにした。




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