偲遊記

□第四ノ刻 忍び寄る影 (前編)
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「あぁっ!! すみませんっ!!遅れてしまって・・・。」

ほんの少し遅れた八戒とも合流し、5人は料理店へと向かった。


 + + + +


「はぁ―・・・やっと一息つけますね・・・。」

 昼食権、夕食を終え、料理店のテーブルで寛ぐ一行。
と、言っても箸を置いたのは三蔵・トリ・八戒・悟浄の4人。
もともと少食なのかトリはあまり食事も取らず眠っているし、
悟空に至っては・・・

「おじさ―ん!!海鮮丼おかわり―!!」

・・・・まだ食べている。

「相変わらず・・・こいつどーゆー胃してんだ・・・?」

驚きを通り越して呆れている八戒と悟浄。
しかし三蔵はと言うと至って平然と玉露を啜る。

「・・・それはそうと・・・。
お師匠様。町でこんなものを見つけまして・・・。」

そう言って八戒から差し出された一枚の薄汚い紙切れ。

「なんです?」

玉露を置き、受け取った紙切れを見て三蔵は息を呑んだ。

「『探し人。 玄奘三蔵法師。』賞金までかけられてんじゃん。」

どんぶりを掻っ込みながら、
悟空は三蔵の持っている紙切れを覗き込み、
読み上げる。

「一体これは何なんでしょうか・・・?」

他の4人にも見えるようテーブルの中央に紙切れを置く三蔵。

「・・・。」

「なんです?トリ。『妖怪専用』とは。」

いつの間に起きたのか。
トリが会話に参加するようにポツリと呟いた。

「あぁ。これだよ。お師様。」

悟浄が気づいたように紙切れの片隅を指差す。
そこには悟浄曰く妖怪を指し示す印が押されていた。






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