偲遊記
□第一ノ刻 大地の子
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「・・・誰? お前。」
問いかけるは胡坐をかいて、
こちらを見上げる一人の青年。
茶色の髪に、真っ白な肌。
それに異端とされる金眼を携えた、
美形の青年。
なぜ私がこんな所にいるかというと、
それは3時間前に遡らなくてはならない・・・。
+ + + +
とある寺院の、とある部屋に。
一人の女性がいた。
「(―――・・・か。 だれか・・・・・・ケテ・・・・・
誰 か ・ ・ ・ タ ス ケ テ )」
突然聞こえた不思議な声。
頭に直接響くような。
しかし何処か懐かしくて。
自分がこの声を救わなくては。
そう思える 声 がした。
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