偲遊記

□第四ノ刻 忍び寄る影 (前編)
1ページ/7ページ


 遥か西 天竺へと向かう旅・・・

その先に一体何があるというのだろう・・・?



 + + + +





「はぁ・・・はぁ・・・や、やっと着いたぁ・・・!!」

大声を上げて喜ぶは、まだ幼き悟浄。

「つ、疲れましたねぇ〜・・・」

トリが街を見つけて数分。
どういう訳か絶え間なく妖怪に教われ、
5人は体力を極度に消費してしまったのだ。

「大丈夫?お師匠さん。」

三蔵を背におぶい、
安否を確かめる悟空。
 一行は暑さと、歩きなれぬ砂漠の砂に足をとられ、
疲れている所を多量の妖怪に襲われたのだ。
 そして戦うことのできない三蔵は、
せめて悟空・悟浄・八戒に迷惑を掛けまいと、
必死に逃げ回っていたから一人、他の4人と比べて体力の消耗が激しい。

「はい・・・すみません・・・。」

疲れたように笑い、
三蔵は悟空の隣で三蔵の杓錠を持って、
連れ立って歩くトリにも同様、

    “すみません”

と謝った。











.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ