偲遊記

□第五ノ刻 過去への償い
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「どこへ行く気だぃ?紅骸児。」

 薄暗い部屋のどこからか声が聞こえる。

「どこか・・・ココではない所。」

虚空にぼんやりと返事を返すは声をかけられた
“紅骸児”と言う男性。
 男はそれだけ・・・たったそれだけを言うと、
硬く閉ざされた扉へ。

ぷち・・・

    だら・・・


だらり・・・

    だらだら・・・


ぷち・・・


        ぴぴぴぴ・・・・




紅骸児の体に取り付けられた幾重ものコード。
神経に直接繋がるコードから噴出す美しい鮮血。




ゴオー――――――――・・・・ガタンッ




重々しく扉は開かれた・・・









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