Ghost The Cross  U

□ピリオド
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「NO,001。
食事の準備ができましたよ。」

静かに開いた電子ドアから入ってきたのは、
見たことのない一人の研究員だった。
円卓に座り、
窓から差し込むオレンジ色の光に見入っていたブルーは、
ドアに背を向けていたため、
くるりと振り返る。

「あれぇ?カイリは? 栄は?」

その研究員に問いつつ、
ブルーは円卓から飛び降りると、
葵を揺り起こした。

「栄教授は仕事中で、
カイリ教授は最下層のCTです。」

淡々と告げる研究員の言葉に、
ブルーは何か違和感を感じたが、
あえて何も言わず、
カーテンを閉める。

「【ごはん・・・いらない・・・。】」

寝返りを打ち、
ブルーに背を向ける葵。
ブルーは“はぁ”っとため息を一つ吐くと、
バサッと葵の包まっていた布団を勢い良く剥がす。

「い・く・の!!」

ブルーはちょっと怒っているように見えた。

今葵を一人にさせてはいけない気がする。
これは推測だが、
多分カイリは最下層のCTに軟禁されているだろう。
葵を一番可愛がっていたし・・・。

それで大方栄はそれを知っときながら何にもしないのだ。

ブルーは苦虫をかんだように顔をゆがめた。



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