Ghost The Cross  U

□ほんの少しの
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『NO、001 AM12:05から測定を始めます。
スペースに来なさい。』

機関内に流れる放送。
食堂で騒ぐ淳と捺とブルーを横目に、
葵は飲んでいたカップを置いた。

「NO,001。行きましょう。
NO,30921。君は先に部屋に戻っているように。」

何時の間にか寄ってきた一人の研究員に促され、
葵は静かに立ち上がり、
騒いでいたブルーは頬を膨らませて短く返事を返す。


 * * * *


先を歩く研究員の後ろを数歩離れて葵は歩き、
ぼんやりと通り過ぎる研究室を見た。
スペースに向かう時に一瞬だが通り過ぎる第7研究室。
なぜだろうか?
第7研究室を見ると、
嬉しいような・寂しいような不思議な気分になり、少し混乱する。
しかし、それが甘い痺れを生み、
どこか心地よいのだ。





ほら、もうすぐ。




長くてまだ見えない廊下の先に、
あの部屋がある。





あともうちょっと。

    この角を曲がったら・・・。


 そしたらこの目にまだ遠いいけれどあの部屋を見ることができるから。
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