Ghost The Cross T
□真夜中の時計
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深夜11:39・・・
とある屋敷に忍び寄る2つの影・・・
「ちょっとっ!!葵っ!! 」
広い屋敷の庭の一角。
その茂みの中で小声で話すは大神淳。
警備の厳重なこの庭に忍び込んだはいいが、
その後の事をすっかり考えていなかった。
「【・・・。】」
葵はと言うと、隠れる気はないのか
堂々と庭の木を背に立ちながら、
目をつぶっている。
「葵ってばっ!! 」
温厚な淳にもイライラと怒りの様子が見え隠れする。
「もぅっ!! 」
そう言って淳は怒り任せに地面に腰を下ろす。
「なっつん(捺)がまだ手術したばっかでいないのにぃ〜・・・ 」
栄教授は『三人で』と確かに言ったが、
まだ碌に経験を重ねていない三人目のメンバー“捺”は一時メンバーから外され、
強制的にスペースへと連れて行かれたのだ。
「まだぁ? 」
さっきから動かない葵に淳はほとほと飽きていた。
いくら栄教授が喜ぶからと言って・・・
「【スキャン完了。】」
葵の声が淳の耳に届いた。
時刻はPM11:47・・・
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