企画小説

□十万打記念部屋
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【処構わず、日々当てられる】(ジクナツ)



魔法界の規律を正す魔法評議院。

そこにはトップに近い議員でありながら、上の者が頭を抱える者達がいる−










「けしからんっ!」


ある評議員が持っていた数枚の書類を机へと叩きつけ、怒鳴る。

書類に書かれていたのはある一つのギルドのクエストでの加害報告。

一つのギルドだけで数ギルド分の報告が出ている。


「そうか?面白ぇじゃん、妖精の尻尾」


それに対して、楽しげに応えるのは桜色の髪の少年、ナツ。

ナツは蒼髪で頬に刺青を施している青年、ジークレインの首に後ろから腕を絡めている。


「席に座れ、ナツっ!」


透かさず注意をし、促す。

動き始めたナツに素直に戻るのだと思ったが、今度はジークレインの前に移動し膝へと座る。


「そこじゃない!」


「えーいいじゃんか。なぁ、ジーク」


「ああ」


再度注意すると、ナツは不満げに口を膨らまして、ジークレインに同意を求める。

ナツの腕はジークレインの背中に回っており、ジークレインから離れる様子はない。

ジークレインもまたナツの髪を優しく撫でてこの状態を良しとしている。


「ならんっ!何故こんな奴らが・・」


「そりゃ魔力が高ぇからだろ。なぁ、ナツ」


「うん!」


聞かない彼等に悪態を吐くもそれを面白げに返す二人。

そして、ジークレインはナツの髪から首筋へと軽いキスをしていく。


「擽ってぇよ、ジーク」


ナツは笑いながら、自分の肩に顔を埋めているジークレインにお返しとでもいうように額にキスをする。

それで治まるような二人ではなく、エスカレートしていく。

人目を憚らず、触れ合い、愛を交わす二人に比例して評議員達は怒りが溜まっていく。

そして終に、ジークレインとナツの唇が触れる直前に怒りが爆発し、


「「「「「いい加減にしろっ!!」」」」」


二人以外の評議員の怒声が室内に響き渡った−










翌日、会議に来ない二人を呼びに行き、二人が丸裸で寄り添うように寝ている姿を見て、
一人の評議員が怒鳴ったのは余談である。

何度注意されても直らない二人に評議員の心労は今日もまた溜まっていく−



END
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