ぬらりひょんの孫

□黒と若、若と黒
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「若、こちらでしたか」

牛鬼とリクオが対峙してから1日経った

「黒田坊…へへっ、見つかっちゃったか」

「笑い事ではありません…若はお怪我をなさっているのですから、安静にしていらっしゃらないと…」

牛鬼との戦いで体のあちこちに傷を負ったリクオは祖父のぬらりひょんや鴆からも安静にと言われている。
「でも、よく此処だって分かったね」

リクオは笑いながら言った
「若がお隠れになられるのは毎回拙僧の部屋ではありませんか…」

黒田坊はリクオの脱走のパターンを見切っていたのか、手には治療ができる道具を持っていた

「だって、黒田坊と手当てが一番上手いんだもん」

その一言を聞いて黒田坊は顔が真っ赤になった

「若…失礼いたします」

黒田坊はリクオの右側の袖を捲った

右腕には刀で斬られたものと思われる傷があった

一番深いと思われる傷だがリクオは気が付いていなかったらしく、驚いている様子だった

「若…もしや、お気付きでなかったのてすか?」

「うん…一寸痛んだんだけど…黒田坊は何で分かったの?」

「若のお召し物の袖が赤くなっていたので、それで気付きました」

リクオは自分が着ていた着物の右側の袖が赤くなっているのに気が付いた

「あ、本当だ…」

「若、少々我慢なさってください」

黒田坊は傷口の消毒をした後、腕に包帯を巻き…

-チュッ-

「!!!」

リクオは突然の事に顔を真っ赤にした

「ハハッ…も〜卑怯だなぁ、黒田坊は〜」

「若、拙僧に「卑怯」とは何よりの誉め言葉ですよ?」

暗殺破壊僧の異名を持つ黒田坊にとって卑怯とは何よりの誉め言葉なのだ

「知ってるよ、知ってて言ったんだよ?」

「ご存知でしたか…」

「当たり前だよ」

そう言とリクオは黒田坊に抱き付いて耳打ちした

「だって僕達は……じゃないか」

リクオに耳打ちされて黒田坊はさらに顔を赤くした

「若にそう仰って頂けるとは嬉しい限りです…」

「オレも苦労して言った甲斐があったぜ、二人っきりになれるっつったらこの時くれぇしかねぇからな」

リクオは妖怪の姿に変わっていた

「黒…呑むか?」

リクオはどこからか持ってきた酒を出した

「若…拙僧に酒を注いでくださるのですか?」

「あぁ、一緒に飲み明かそうぜ」

「学校は大丈夫なのですか?」

「明日、明後日は休みだ」

「では心置き無く呑み明かせますね」

黒田坊は呑みながらリクオに言われた言葉を思い出した


-ご存知でしたか-

-当たり前だよ、だって僕達は…「恋人同士」じゃないか-
密会だった筈だが、何故か奴良組系腐女子組に見つかってしまい、(他の者には知られなかったものの)ネタにされてしまったのは言うまでもない

でも、それはまた別の話…





end

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