妖怪貴族

□参ノ舞 閻魔城
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大輔一行は閻魔城へと向かっていた

「大阪には後どれくらい掛かりますか?」

「そうだねぇ、あと半時もあれば着くよ」

「時間がありますね…幸の所へ行ってきます」

時間がある事を確認すると大輔はその場から立ち上がった

「そうしたら幸ちゃんも安心するよ」

大輔は森奴の部屋から長い廊下を通り幸がいる部屋に行った

「幸、少しは楽になった?」

大輔は幸に優しく問い掛けた

「大輔様…まだ身体中が痛くて起き上がる事は出来ませんが、熱は少し下がりました」

幸の顔色は少しだけよくなったようだった

「時に大輔様…屋久島には着いたのですか?」

幸が大輔に問い掛けた

「まだだよ、屋久島に行く前に大阪に行くんだ」

「大輔様…お気を付けて…」
大輔がやろうとしている事を悟った幸は大輔にあるものを渡した

「これは…幸が大事にしている髪飾りじゃないか…」
幸が大輔に渡したのは彼女が大事にしている髪飾りだった

普段、幸は大輔以外は触れられないように結界を張っているほど大事にしているのだ

「船に戻ったらお返しください」

「戻ったら」というのは「必ず戻って来て」という意味が込められていた

「分かったよ、行って来る」

無論、大輔は意味を理解していた

大輔は幸の手に彼の頭に付いている羽根を持たせた後に船を後にした


船から出てすぐの所に閻魔城はあった

「やはり見張りが…通して貰えるだろうか…」

門の前には見張りの妖怪が2人…

少し緊張の色が見える大輔だったが覚悟を決めて門の前に向かい、門の前で立ち止まった

閻魔大王に謁見を求めたい時は、門の前で立ち止まる事が妖怪世界の掟なのだ

「門の前に立ち止まりし者よ、真の姿となり名を名乗れ」

大輔は妖怪としての真の姿となり、門番に跪いた

「遠野鳥妖怪、瑞城一族次期当主、瑞城大輔にございます」

大輔は門番に従い、名を名乗った

「我々に付いて来るがよい」
大輔は門番に付いて門の中に入った
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