妖怪貴族

□五ノ舞 敵襲
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屋久島に到着した翌日の早朝、大輔は森奴の屋敷にある牛舎にいた

「つばき、桜丸、おはよう」

大輔は牛舎の中にいる2頭の牛に声をかけた

「ふぁ〜っ…おはよう、大輔様…母さま、まだ、ぐっすり寝てるよ…僕もまだちょっと眠い…」

桜丸は眠そうに挨拶を返した

「そのまま寝かせておいてあげて、桜丸も眠かったら寝てていいよ」

「僕は、お散歩したいな〜」
桜丸は毎朝散歩をするのが日課なのだ

「じゃあ、僕も一緒に散歩しよーっと」

大輔と桜丸は屋久島の森に散歩に出た

大輔と桜丸は仲良く喋りながら歩いていた

ところが、屋久島の森に着いた直後、大輔は口数が少なくなった

「大輔様…どうしたの?」

不思議に思った桜丸は大輔に問い掛ける

「桜丸…いま体重どれくらいある?」

大輔は何故か桜丸の体重を聞いた

「牛の姿だと200kgくらいだよ」


「人間の姿だと?」


「30kgくらい…」

桜丸が人間の姿の時の体重を言った途端…

「桜丸、屋敷に戻る!!今すぐ人間の姿になり、我の背中に乗るのじゃ!!」

「え?なんで!?」

桜丸は戸惑いを隠せない様子で大輔に訳を聞いた

「…長崎妖怪じゃ…」

大輔は屋久島の森に長崎妖怪が忍び込んで居ることに気が付いたのだ

「分かりました…それでは、先ず牛舎に戻るのが先決かと」

桜丸は、母・つばきの身を案じ、先ずは牛舎に戻るように提案した

「分かっておる、牛舎にはつばきがおる故のことじゃろう?」

大輔は桜丸を背中に乗せ、急ぎ牛舎に向かった

しかし、敵は大輔と桜丸に気付いて追ってきた

「大輔さま、追い掛けてくるよ!」

「やはり、刄を交える他無しか…」

大輔は桜丸を背中に乗せたまま刀を抜いた

「大輔様、僕も戦うから降ろして!」

「決して…無理をするでないぞ」

大輔は少々納得出来ない様子だったが桜丸の強い覚悟を見て、彼を戦わせる事にした

「桜丸よ、手早く片付けようぞ」


「はい、大輔様」
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