仮面ライダーW
□こたつにM/それが欲しくてたまらない
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「どうしたんだい?亜樹ちゃん…」
「亜樹子テメー!もっと静かに開けろ!静かにッ!!」
「翔太郎くん…フィリップくん…」
「あ゛?」
「?」
「私…今日からここに住む!!」
「「……」」
突然の亜樹子の宣言に、時が止まる翔太郎とフィリップ。
数秒後、我に返った翔太郎が叫んだ。
「なッ…なんだとぉーー!!?」
「とりあえず、事情を説明してくれ!」
こたつには3人。
亜樹子の前にも雑煮が用意されている。
「照井竜と喧嘩でもしたのかい?」
大々的な宣言をしてからというもの、2人が何を言っても亜樹子は黙り込んだままだった。
痺れを切らした翔太郎がお雑煮の器を手に持ち、汁を飲もうとそのまま口に運んだ。
「私……竜くんと離婚する」
「ブーーーッ!!」
しかし、直後の亜樹子の発言で、翔太郎が飲もうとしたお雑煮の汁は、口に含まれた途端に勢い良く吐き出され、フィリップと亜樹子の罵声が飛んだ。
「キャーッ!何すんのよぉー!」
「汚いよ翔太郎!」
「ゲホッ!ゲホッ!…おまっ…本気か!?」
「もちろん本気よ!あんな所もう嫌ッ!!」
「亜樹ちゃん…」
「はぁーーッ。“仮面ライダーアレルギー”の次は一体何だぁ…?」
亜樹子を心配しつつ困った顔のフィリップと、呆れ顔で盛大な溜め息を吐く翔太郎。
静かな正月を迎える筈が、またとんでもない騒動に巻き込まれてしまったらしい…。
「…しゃあねぇ。とりあえず照井に事情聞くか」
言いながらスタッグフォンを取り出す。
と、その時。
バアァァァン!!
「所長!」
「りゅっ、竜くん!」
数分前にも聞いた轟音と共に現れたのは竜だった。
「電話するまでもなかったね、翔太郎」
「あ゛ーー!もーーッ!!どいつもこいつも!ドアは静かに開けろーッ!!」
翔太郎の苦難はまだまだ続く…。
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