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□君と僕と
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「すみません」
急に後ろから声がした。
辺りを見渡す。
見ると僕ともう1人しかいなかった。
それもそうだ。
こんな早い時間に外に出ている人の方が少ないのだから。
でも、日本でもないここで日本語を使うのはどうかと思う。
「あれ?…日本人じゃなかったか?うーん…」
「…何でしょうか…」
半分苛立った声で答えた。
なぜ分かったんだろう。
僕が日本人だって…。
向きをきちんと変えて声をかけてきた人を見る。
そうすると彼はふっ、と笑った。
「あの、雲雀恭弥って人、知りませんか?行方不明で…。こんな顔なんですけど……って雲雀!?」
びっくりしている人を余所に彼の出した写真を見る。
少し年は上に見えるが…。
どう考えても似すぎている。
―――…自分に。
それにさっき雲雀って―……。
「…の訳無いか。急にゴメンな。…その目、どーしたんだ?」
「あー、これですか?……分かりません。と言うか気付いたら記憶が無かったんです。今までの記憶が…」
「…!!…マジかよ…」
僕が言った言葉で彼は急に真剣に考え出した。
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