「そう。やっと付き合ったの」
『…え?やっとって』
「知ってたよぉ、2人が両思いのこと!」
『え、えぇ!!?』
「いつもじれったかったー!!」
『ちょ、レミちゃんまで!!?』
「良かったわね!」
『さ、桜ちゃんも!?』
***
「……で?」
「嫌ぁ、"で?"と言われましても…」
「なんだよ秀、成功したなら報告しろよ」
「だ、だってさぁ!」
「井浦くん柳さん泣かしたら堀さんから打ち首の刑だね」
「宮村ぁああ!!!笑顔で恐いこと言うなよ!」
「…告白はどっちからだ」
「…え、い…言うの?」
「どっちからだと聞いているんだ!!!」
「ちょ、落ち着けって仙石…。秀がびびってるから」
「告白は名無しさんからです――!!!!」
「なん…だと…!!?」
「おま、結局自分から言わなかったのかよ…」
「い…!石川だって、人のこといえないだろぉおお!!」
「なんでだよ!」
「…乗り換え男」
「おいコラ緑。今なんつった?」
「なんでもないでーす」
***
「『はぁ――…』」
「いや、こうなることはわかってたんだけどね…!」
『まさか、みんな知ってたなんて…』
「びっくりだよね―!!」
『そんなにわかりやすかったかなぁ?』
「…ていうか名無しさんさぁ、」
『うん?』
「いつから井浦のこと好きだったの」
『………え?』
「だって会ったばっかりの頃は好きなやついたじゃん」
『あ、あぁ――…。そんなことも…』
「まぁ、井浦は一目惚れだったけどー」
『……、(なんでそんなはっきりと)』
「名無しさんは?」
『わ、私は…、』
「うん」
『…秀に抱きしめられたときから気になってきて、気づいたらってかんじ…かな』
「……まじで?」
『う、うん』
「………抱きしめていい?」
『なんで!?どっからそうなるの!』
「だって、俺が抱きしめたから、好きになったんでしょ?」
『ん、ん―…。』
「…じゃあ、井浦が"抱きしめたい"から。いい?」
『……ここ学校の屋上だけど、』
「誰もいないし!」
『寒いから中に…』
「井浦があっためてあげるよ」
『っ、…ばーか』
「ばかとか言わない!あかねに怒られるよ」
『…大丈夫だもん』
「はいはい」
『寒いから、だよ』
「うん」
秀の腕の中は、思っていたより 温かくて、心地よかった。
温かい彼
▽好きだよ秀
.
|