「オフ会」シリーズ
□１・リアル・再懐
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【まずは、久しいなと言っておこう。君も元気そうで何よりだ。
話したいことは山とあるが、前置きを長くしては君に呆れられそうなので早々に本題に入るぞ。
数千人を超える応募者から、なぜ君が選ばれたのか…
ＣＣ社の選考システムに不備はなかった。いや、見つけられなかったと言ってもいいだろう。
知り合いのハッカーにも調査を依頼したが、個人情報の保護は完璧だ。万一にも手を加えられた形跡はない。
たが、いつの間にか君の名が紛れ込んでいて、なおかつ、数千分の一の確率で当選した事実は確かだ。
この件については、引き続き調べていく。何か判れば、すぐに連絡する。
君は賢い人間だ。
危ういと思ったら避ける、その判断は正しい。
しかし、これはあくまで私の私見だが……君は今の『The World』を一度見ておくべきかもしれない。
世界で何が起こったか、真実を君も薄々感じ取っていたはずだ。
もし、全てを知りたいのならば教えよう。
君にはその権利がある。
ＣＣ社の本社ビルで、ある社員に話をつけてある。
ただ、彼女も退社を控えた忙しい立場だ。行くなら早めが良いだろうな。
最後に。
"あのこと"について、君が責任を感じることはない。
願わくば、君が自発的に『The World』に再び訪れてくれることを、一人の友として望んでいる】