novel

□wine of mine
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Wine of mine


5月18日――――――――オーブでは、代表首長、カガリ・ユラ・アスハの誕生日パーティーが盛大に行われた。
先の大戦後、自国各国の復興支援に努めているオーブだけあり、世界からも多くの重要人物が集まり、若き代表の生まれた日を祝った。

代表は今年の誕生日で20歳――――――ナチュラルでいう成人だ。
あどけなさもぬけ、すっかり代表らしい表情を見せるようになった。

そんな彼女は、相変わらず忙しい毎日を送っていて、21日からはプラント最高評議会議長ラクス・クラインと会談をする予定がある。

そこで、翌日19日の朝方、カガリはプラントへと発つ予定になっていた。



「姫様!起きてくださいまし!今日からプラントだと張り切っていたではありませんかっ。」
「・・・・・マーナ・・・。」

朝早く、カガリの私室に乳母のマーナが飛び込んできた。最近ではめったにない懐かしい朝のやりとりであった。

「どうされたのです?最近はしっかりご自分で起きていらしたのに・・・まぁもう20歳ですものねぇ・・・姫様が20歳・・・!」

マーナが信じられないとばかりにその言葉をくり返す。
しかし、それでもカガリは彼女にとってはいつまでもかわいい“姫様”なのだ。

「ごめん・・マーナ・・・。すぐ、行くから・・・。」
「まあまあ・・!姫様、顔色がすぐれませんわ。やっぱり具合が・・・。」
「い・・や、大丈夫だ。すぐ治ると思うから・・・。それより、出発の準備の方を頼む・・。」
「・・・わかりましたわ。何かあったら必ずマーナを呼んでくださいね。」

それだけ念を押すと、ドタバタと足音を立てながら彼女は出て行った。
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