novel

□cherry blossom
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『白哉様、緋真は桜が好きでございます。』




『…桜が…か。』




『白哉様はお嫌いですか?』










ある晴れた昼時。


二人して屋敷の庭園に出て、満開になった桜の木を眺めていた。





『…緋真は何故…桜を美しく思う』
あまりにも突然に、私がそう聞くものだから、お前は少し驚いたように私を見て。




次の瞬間、ふわりと笑い、言葉をつむぐ。






『散りゆく桜が儚くて…もったいのないとは思うのですが…優しく、綺麗だと思うの
です。』





『…そうか。』








『それに…桜は白哉様を守って下さいますから。』






緋真は縁側から、私の部屋にある斬魄刀、千本桜を見てそう言った。





『…しかし私の桜は破壊しか生み出さぬ。』
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