novel
□wine of mine
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カガリはいつもはどこか心地よく感じるそのマーナの足音さえも、頭にガンガンと響いて、聞いていられなかった。
「ぅ・・・気持ち悪ぃ・・・・・。でも・・行かなきゃ・・・。」
カガリの手には1枚の手紙が大切に握られている。
カガリへ、
誕生日おめでとう!・・・って僕もだけどね。
メールで送ろうかとも思ったんだけど、きっと見る時間ないと思うからさ。
連日お疲れさま。体は大丈夫?カガリ、すぐ無理するから・・・アスランも心配してたよ。
21日からラクスと会談するから、プラントに行く予定なんだよね。
無理なら諦めるけど・・1日予定を早めて、19日からプラントに来ない?そうすれば20日はフリーになるじゃない?
その日に、アスランも呼んでこっそりパーティーしようって。提案はラクスだけどね。
どうかな、都合つく?返事はメールで大丈夫だから。連絡待ってるよ。
キラ
*****
「まぁ〜・・・大丈夫ですの?・・・はい、・・・はい、ならいいのですが・・・。」
一方のプラントでは、『議長室』という重い扉の向こうから柔らかな声がかすかに響いていた。
中ではラクス・クラインが誰かと会話をしているようだった。